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高齢化社会日本が誇る有望な技術

2014/6/30  3/3ページ

機内Wi-Fiの拡充と課題


 利用禁止から緩和に至るまで、実に10年以上もかかっている。その理由は、「各国の規制当局が、お互いの様子を見て判断する」(国交省関係者)体質があるためだ。国境を軽々と越える飛行機の性格からすると、そうした「横並び体質」になるのも致し方ないのかもしれない。


 2013年のFAAの方針発表、そして2014年夏から日本でもスタートした電子機器の利用緩和。今のところは3GやLTE回線に接続しない「機内モード」でしか利用できないが、機内Wi-Fiサービスなどは今後も拡充するものとみられる。


 機内Wi-Fiの仕組みは、飛行機の天井部分に積んだアンテナから通信衛星を経由して、地上のプロバイダに接続する、というもの。日本航空(JAL)では2012年から国際線、2014年7月からは国内線でサービスを提供。全日本空輸(ANA)も、2014年から国際線でサービスを提供している。


 そのほか、各国の航空会社で機内Wi-Fiサービスが実施されている。ほとんどのサービスは有料接続で、航空会社によっては通信容量での課金にもなる。接続環境は、天候によって通信状態が不安定になる時もあるため、地上に比べるとやや劣る。また、飛行機と通信衛星の接続を許可していない国もあり、該当する国の上空を飛行しているときは通信不能になる。


 このため、YouTubeで動画をガンガン見るといった使い方よりは、メールチェックやWEBページの閲覧程度の利用になるだろう。


機内で3G・LTEは超高額


 機内でのWi-Fiサービスがこれほど充実するようになれば、当然3GやLTEなどでもつなげたくなる。しかし、これらの電波はWi-Fiと違い、国によって規格や周波数が異なる。現在行われている機内の携帯電話利用サービスは、飛行機にある基地局から地上の基地局へ、電波を受信できないように制御信号を発している。これを、飛行する国に合わせて変更する処理が必要なのだ。

空の上でもネットにつながる
空の上でもネットにつながる

 ただし、1分あたりの通話料が着信で800円、SMS(ショートメール)は1通送信するのに180円もかかる(ソフトバンクの場合)。3G回線を使うか、24時間あたり20ドル程度の有料Wi-Fiにするかは、個々人の判断になってくるだろう。


 スマートフォン利用とは離れるが、機体の軽量化を目指して機内の配線を無線化する動きもある。2.4GHz帯、5GHz帯を使って、機内エンターテインメントなど、飛行機の航行に関係のない信号の無線化も取り組まれている。飛行機の中でも、地上と変わらないネットワーク環境が整うのもそう遠くないだろう。


 元々、飛行機は落雷という非常に強い電磁波にも耐えられる設計になっている。通信容量やコストの問題も徐々にクリアされきており、がんじがらめだった電子機器の利用も、ここにきてようやく翼を得たようだ。

(中西 啓)

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