特集 地方自治体とICT 富山市に見るGISデータの活用事例

2014/3/10  1/3ページ

高齢化、人口減少…、地方自治体を取り巻く環境は厳しい。しかしその対策を講じるにあたって、ICT(Information and Communication Technology)を効率的に活用している自治体もある。GIS(地理情報システム)などのICT技術をまちづくりに活かす富山市を訪ねた。

GISの歴史


 企業や学校など、様々なシーンで活用されているICTだが、自治体においても、ICTを効果的に活用する事例も増えている。例えばGIS(地理情報システム)の活用もその1つだ。


 GIS(Geographic Information System)は地図上の位置に、様々な情報を付加して利活用できるようにしたシステム。付加される情報は建造物、地名、都市計画など様々だ。防災やマーケティングをはじめ、幅広い活用が考えられている。


 GISは1960年代にカナダで開発されたシステムが世界で最初と言われている。日本では1970年代に研究が行われていたが、本格的に取り組みが始まるのは1995年の阪神・淡路大震災以降だ。政府は、同年9月に「地理情報システム関係省庁連絡会議」を設置して検討を開始。1996年12月には「国土空間データ基盤の整備及びGISの普及の促進に関する長期計画」を発表し、活用を促進している。


 また自治体でもGISの活用が行われており、横浜市では1983年から都市計画の立案でGISの利用が開始されている。1993年には、横浜市のGIS基盤情報となる2500分の1のデジタル地図データが作成され、現在に至っては都市計画、地価などの情報が公開されている。


「コンパクトシティ」富山市


 自治体の中で利用が広がるGIS。コンパクトシティ政策が世界的にも評価されている富山市でも、GISを活用したまちづくりが行われているという。富山市は人口42万人の都市。北には豊富な魚介類を含む富山湾、東には北アルプス・立山連峰という美しい自然が連なる。そのため高低差があるものの、市の中心部はなだらかな平野部にある。また、古くから「越中富山の薬売り」に代表されるように「くすりのまち」として全国にその名が知られ、薬業をはじめとするさまざまな産業、多様な文化と歴史を併せ持つ地方の中核都市である。

富山市の中心市街地の様子

 富山市では2000年代にかけて、典型的な地方都市の例に漏れず、モータリゼーションの進展を背景に郊外拡散型まちづくりをすすめたことで、市の中心部から、市民が郊外へ移り住んでいく傾向が強かった。

富山市の中心地を走る公共交通・路面電車セントラム
富山市の中心地を走る公共交通・路面電車セントラム

 しかし、来る高齢化・人口減少社会を見据えると郊外型の都市展開に問題点が表面化してくる。現在の富山市長・森雅志氏が2002年に就任すると、このまま外へ拡大していくまちづくりを進めていては、日常における自動車依存をいっそう高め、高齢者などの車を自由に使えない市民にとって極めて暮らしにくくなることなどを危惧し、「公共交通」を軸とした拠点集中型の「コンパクトなまちづくり」を目指すことになった。

>>富山市におけるGISの取り組みとは


RPAツール・AIHH

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