特集 節電? 環境対策? スマートグリッドの今 全国自治体で進む動きを追う

2014/4/17  1/3ページ

2009年当時、民主党政権の鳩山由紀夫首相が「二酸化炭素排出量マイナス25%」を国際公約として掲げ、日本国内では様々な議論が巻き起こった。もとより日本が持っている環境関連の技術は非常に先進的なものだったが、こうした議論の中、日本の持つ技術が改めて注目を浴びることになった。

 また2011年の大震災以降、節電が話題に上がるようになると、電気を効率的に使うことで「節電」と「二酸化炭素排出量の軽減」を双方行える「スマートグリッド」の技術が急激にピックアップされるようになった。地方自治体で広がりつつあるスマートグリッドの現状について追ってみた。

スマートグリッドの歴史


 スマートグリッドという言葉が世の中に出てくるきっかけとなったのは、2003年頃。米国では、電力自由化などの影響により、電力の安定的な供給に課題があった。そこで、電力の安定性を確保するために、システムを高度なIT技術で制御するスマートグリッドが提案された。


 スマートグリッドとは、各家庭に通信を行うスマートメーターを付けることで、発電側と双方向にやり取りをして、常に適切な電力を適切な利用者に配分する仕組みのこと。安定的な供給のほか、節電や人件費節減の効果がある。


 日本においては、国策により安定的な電力供給が実現されており、スマートグリッドに対する関心はほとんどなかった。しかし近年、新興国が、かつての先進国のように化石燃料を際限なく使うようになり、国際的にも環境問題、化石資源枯渇などの課題が取り沙汰されるようになった。こうした課題への対処方法として「再生可能エネルギー」と、それを安定的に利用するためのスマートグリッド技術が日本でも脚光を浴びるようになる。


 太陽光や風力と言った再生可能エネルギーは、資源がほぼ無限にあるというメリットがあるが、天候などに左右され出力が不安定というデメリットもある。出力低下時の不足分は別の発電手段で補う必要があり、これとスマートグリッドによるリアルタイムな需要把握がマッチする。


 再生可能エネルギーの実用化と、スマートグリッドの導入を都市単位で進めていくために、経済産業省は2009年に「次世代エネルギー・社会システム協議会」を設置した。協議会では、スマートグリッドを単に環境技術としてだけではなく、新しい成長戦略の一環に位置づけて、将来的には国際標準化、海外展開などを視野に入れている。協議会と同時に多数の検討会・ワーキンググループも設置された。

電気自動車のバッテリーは、家の余剰電力の調整役としてスマートグリッドには欠かせない存在であり大きな周辺事業だ
電気自動車のバッテリーは、家の余剰電力の調整役としてスマートグリッドには欠かせない存在であり大きな周辺事業だ

 もともと米国で始められたスマートグリッドも、単に電力の安定的な供給を目指すだけではなく、スマートメーター、次世代配送電システム、蓄電池、次世代の自動車、断熱建材など、周辺関連事業を含めた経済対策・成長戦略としていた。こうして経済産業省による旗振りの元、2010年にはこれらの最新技術の導入試験を行う4地域(横浜市、豊田市、けいはんな学研都市、北九州市)が「次世代エネルギー・社会システム実証地域」に選定された。

>>実証地域での進行具合は?


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