キーワード解説

特集などに出てきた重要語句を分かりやすく解説

2013/12/24

スマート

概要

 スマートとは、「すっきりしている様」と「賢い」の2つの意味があるが、ここでは主にIT関連用語で使われるスマートに関して解説する。IT用語として使われた場合には後者の「賢い」の意味で用いられる。

 スマートフォンからスマートテレビ、スマートグリッド、スマートシティ、スマートメーター、スマートハウス、スマートグラス、スマートコミュニティ、スマート家電、スマート農業、スマートアグリ…。ここ最近は、とにかく「スマート」という言葉をよく見かける。

 これらのサービスに共通するのはIT技術を使っていることだが、それ以上に「通信が行えること」がカギになっている。ネットワークが製品内に閉じておらず、常時インターネット通信を行うことで、状況に応じた対応や変化が可能だ。リアルタイムに対応を変化させることで、サービスがより効率的になったり、より高品質になったりする。

 例えば「スマートグリッド」は、インターネットの通信網や双方向性、コンピュータの演算能力などを利用することで、リアルタイムの電力需要に沿った適切な供給を行い効率的・安定的な発送電を行う電力系統のことを指す。ただ一方的に要求された電力を流すだけではなく、常に適量を計算して流すことで無駄もなくなるわけだ。

 一方で「スマートテレビ」は、インターネットの特性を高品質の方に傾けている。インターネット経由でコンテンツやアプリケーションを入手したり、あるいはほかのIPアドレスを持つ冷蔵庫を管理したり…など、スマートフォンのように高品質でかつ多角的な、IT関連のコアデバイスとしての展開も期待される。

「スマート○○」の一例
世間には多数の「スマート○○」が存在する

歴史


 「スマート」という言葉がIT関連の用語として最初に使われたのが、はっきりいつごろかは断定できないが、1990年台後半には、すでに「スマートフォン」や「スマートオフィス」という言葉が存在していた。そのため、IT技術を駆使し、インターネットを接続しているという、現在の意味で使われている「スマート」と、ほぼ同じ性質の言葉がこの頃からあったと言える。

 スマートフォンの隆盛とともに、スマート○○というサービスも増えてきたように見える場合もあるが、必ずしもそういうわけではない。例えばスマートグリッドはiPhoneが発売された2007年より4年前の2003年には米国で提案されている。IT技術が発展し、あらゆるものがスマート化していく流れの中にスマートフォンもあったと考える方が妥当だろう。

 スマート○○と名付けられるサービスが増えてきた背景には、2000年代よりあらゆる対象がインターネットによるアクセスを可能にする技術が、進歩してきたことが大きい。無線通信技術の高速化、IPv6の普及によるIPアドレスの爆発的増加などが挙げられるだろう。特にIPv6は、これまでのIPv4と比較して桁違いのIPアドレス数を誇っている。そのため、枯渇問題が叫ばれ、在庫をやりくりしてきたIPv4と異なり、様々なものにIPアドレスを割り振ることができるようになった。


課題


 スマート化での課題の1つにセキュリティの問題がある。あらゆるものにIPアドレスを割り振り、インターネットにつながるということは、これまでオフラインだった家電にも外部からアクセスできることになる。こうした製品がクラッキングされた場合、家電ならば異常動作による発火もありえる。あるいは自動車や航空機のシステムが乗っ取られた場合には人命に関わる大惨事につながる可能性もある。その被害は、従来の「個人情報漏洩」レベルではすまない。

 ありとあらゆるサービスがスマート化していき、近い将来にはインターネットに接続されていない電化製品の方が珍しくなるかも知れない。スマート化に伴うセキュリティ対策は喫緊の課題となってくるだろう。

(井上宇紀)

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