キーワード解説

特集などに出てきた重要語句を分かりやすく解説

2013/12/19

バズワード

概要

 バズワードとは、意味があいまいなまま世の中に浸透している言葉のこと。ウィキペディアには「見える化」「ベストプラクティス」など、81個の単語が登録されている。

 「バズワード」という言葉が日本で使われ始めたのは1990年代後半。「ITバズワード(はやり言葉)」として紹介されているように、ITに関連した用語を指すことが多い。「クラウド・コンピューティング」や「Web2.0」などが記憶に新しい。しかし、「ITに絡めた流行り言葉」の足跡は、デジタルツールが一般社会に浸透するにつれて現れてきている。

 古くは1980年代に流行した「マルチメディア」が挙げられる。「他機種のPCでもデータがやり取りできる仕組み」のことだ。今で言えば、さしずめスマートフォン=マルチメディアフォンといったところだろう。

常に生まれ続けるバズワード
常に生まれ続けるバズワード

 日経新聞では1983年4月20日、電電公社(現NTT東西)と民間4社(沖電気)で「マルチメディアDCNA」を構築したことが報じられている。DCNAはデータ通信網(communication network)アーキテクチャのことで、他社のPC同士の通信を可能にするための通信プロトコルを決めたもの。

 今から見ると「なぜそんな当たり前のことを?」と思えるが、当時は、Androidはもちろん、Windowsすら登場していない時代。ハードウェアメーカーがそれぞれ独自にシステムを構築していた。なので、他社製品のPCをつないでデータをやり取りするのは不可能だったのである。

 しかしこの後、1990年代に入ってWindowsが登場したほか、インターネットの商用利用も始まった。「機種によるデータのやり取りに不都合が生じる」という課題は自然消滅。PC自体の性能も急速に向上したため、それまでエンタープライズのメインフレーム販売で王者と言われたIBMも、急速に業績を下げることになる。

 マルチメディアという言葉も、上記のようにデータのやり取りに不自由がなくなるとともに消えていった。


ITから派生したバズワード


 1990年代に入ると「ファジー製品」という言葉も登場する。「あいまいな」という意味で、人間の「適度な」力を再現する洗濯機であるとか、気温を「適度に」調節するエアコンなどが席巻した。AI(人工知能)ブームも相まって一気にブレイクした言葉だが、バブル崩壊後から終息していった。「どういった機能があるのか分かりにくい」といった苦情もあったようだ。

 2000年前後には森元首相の「イット発言」も相まって「IT」という言葉自体がバズワードになった。

 最近では、直接的なITテクノロジーを指した言葉ではないものの、関連したバズワードに「ノマドライフ」も挙げられる。ノマドとは遊牧民の意味で、場所に縛られない働き方のことを指す。タブレットPCやスマートフォンの普及、そして「Wi-Fiがあればインターネットに接続できる」というインターネット接続環境の向上が背景にある。オフィスに縛られずに仕事をするスタイルがITジャーナリストなどの間でもてはやされた。

 1980年代より現在まで、IT関連の技術革新は目を見張るものがある。その激しさゆえに、既存技術の使いまわしであっても「バズワード」とともに再登場し、注目を集める事例は事欠かない。

(中西 啓)

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