特集などに出てきた重要語句を分かりやすく解説
Googleブックス
概要
Googleブックスとは、Googleが提供する書籍検索サービス。書籍タイトルだけでなく、全文検索が可能になっている。著作権期間満了のものは全て閲覧できる。著作権があるものはAmazonなどのECサイトにリンクが張られる。
歴史
全文検索のサービスは、GoogleよりもAmazonの「Search Inside the Book」が先行していた。「なか見!検索」で活用されているこのサービスは、著者や出版社から許諾を得た書籍が対応している。
GoogleはAmazonの動きを追うように、Googleブックスの前身「Googleプリントプロジェクト」を、10年前の2003年にスタートさせた。サービスインから2年後の2005年9月、米国作家協会(Authors Guild)と数名の作家が、ニューヨーク南部地区連邦地裁に、Googleを著作権侵害で提訴する。Googleがミシガン大学の図書館と提携し、蔵書をスキャンしてサービス提供しているのが著作権侵害である、というものだ。これが今に続く係争の始まりとなった。
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| 書籍のデジタル化に拍車をかけるGoogle(写真と本文は関係ありません) |
集団訴訟で世界中に影響
当初の当事者は、訴えを起こした原告であったが、クラス・アクション(集団訴訟)に切り替わって、原告となりうる対象者がとたんに広がる。クラス・アクションは、訴訟に直接かかわっていなくても、訴訟の利害が一致する人であれば原告になるというものだ。Googleと米国作家協会の訴訟で言えば、ミシガン大に所蔵されている書籍の著者なども自動的に原告の1人に組み込まれてしまう、ということである。
クラス・アクションとなったこの訴訟、米国での著作権を持つもの全てが対象となったため、世界中を巻き込むことになる。米国での訴訟が、世界を巻き込む理由は「ベルヌ条約」にある。著作権に関するこの国際条約に加盟している国の著作物は、相互に保護される。日本の著作物は米国の著作権に影響されるため、Googleの書籍デジタル化に否応なく巻き込まれてしまったのである。
この集団訴訟は、2008年10月に、Googleが一定の金額を支払うことを条件に、一旦原告と和解した。しかし、上記のように世界中での影響が大きいことから、2009年11月には対象となる著作物の国を英語圏4カ国に限定した修正和解案をニューヨーク南部地区連邦地裁へ提出する。
しかし2011年3月、地裁から出た結論は「修正和解案の再度修正」だった。「著作権者を取り残したまま、Googleが利益を得るような和解案は受け入れられない」という判断からだ。
フェアユースの主張と今後
Googleブックスの裁判は、現在も係争中である。2013年9月に行われた集団訴訟の審理で、Googleは権利者の許諾を得ずとも複製が可能となる「フェアユース」の適用を主張している。公平な利用をうたっているものの、Googleブックスのサービスは、年間で4000万ドル(約40億円)が投資されているという。敗訴してサービスがストップするのは何としても避けたいところだろう。
2013年9月25日に、Google、Amazon、Facebookなどが、政府への政策提言のための業界団体「アジアインターネット日本連盟」を設立。コンテンツ振興や知財、日本版フェアユースの導入などに関する提言をしている。各社の代表者に中央官庁とパイプのある人材が目立っているのもあるが、なによりも、コンテンツを生みだす側ではなく、プラットフォーマーが手を組んでいる点が興味深い。
Googleブックスの訴訟は係争中であるものの、こうしている間にも、スキャンデータの蓄積は止まらないだろう。文字という「原始的なコンテンツ」は、インターネットとデバイスの普及で転換期を迎えている。
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