導入事例

鹿児島県 南九州市様

LGWAN系とインターネット系を統合して、PC台数を3割削減。経費も削減
1名の職員、3日、100台規模のキッティングを、自動化ソフトで、自力で、実現
南九州市
  • 自治体名:鹿児島県南九州市
  • 職員数:368 人(令和5年4月1日現在)
  • 所在地:鹿児島県南九州市知覧郡6204
  • 人口:32,216 人(令和5年7月現在)
  • 面積:357.91㎢
  • 南九州市 企画課情報政策係のみなさま

  • インタビューに応じて頂いた方
  • (右)
    南九州市 企画課情報政策係
    係長
    志々目 武 様
  • (真ん中右)
    南九州市 企画課情報政策係
    主査
    南谷 礼美 様
南九州市様 オフィス環境
【物理環境】
  • ライセンス数 SeP 500台 / AIHH 5台
  • PC環境 Windows 10
導入製品
  • セキュリティプラットフォームベーシック+AD evolution/SV
  • セキュリティプラットフォームトレーサオプション+AD
  • セキュリティプラットフォームイントラネットオプション
  • セキュリティプラットフォームエンクリプションオプション
  • セキュリティプラットフォーム セパレートオプション
  • エーアイハミングヘッズ

鹿児島県西部にある薩摩半島、その南に位置する南九州市様。海を臨む穏やかで風光明媚な景色と、そして戦争の傷跡残る施設は生々しくも歴史を伝えます。日本一のお茶の生産量を誇る市でもあり、地名を冠した『知覧茶』は、様々な受賞歴を持ち、全国的に高い評価を得ています。市南部を走る指宿枕崎線は、日本最南端を走るJR路線。南九州市内の駅は、大半が無人駅であり、緑に囲まれ神秘的とも言える景色は、鉄道ファンの間では有名な撮影スポットでもあります。

三層分離環境における、費用、業務での使い勝手、そしてPCのスペース問題…。セキュリティとの両立を図るために様々な課題を抱えられていた南九州市様は、Security Platform(以下SeP)の導入で、それらの課題を一掃しました。さらには、数人の市職員様が、当社製の自動化ソフトウェアAI Humming Heads(以下AIHH)を使い、SePの数百台規模の導入を完了させています。SeP、そしてAIHHを見事に活用された手法を詳しく伺いました。

LGWAN系との端末統合で、
全職員がインターネット系が利用可能に
しかもPC台数は3割減

南九州市様が抱えておられた課題について教えてください。

志々目氏 インターネット系を扱えるPCが、少なかったというのがまず1点目の課題になります。SeP導入前は、各係にインターネット系の1台しかなく、少ない端末に複数の職員が集まって作業をしていました。そのため、待ち時間が発生してしまうなど、業務効率も非常に悪い状況で、職員からも状況を改善してほしいという要望を強く受けていました。

そもそも、三層分離が行われる以前は、1台のPC環境で、LGWAN系もインターネット系も取り扱えていましたのでこうした問題はありませんでした。重要な情報を守るために必要なこととは言え、三層分離の環境を構築して以降は、業務の効率が悪くなってしまったことは否めません。

業務効率の課題を解決するために、まず仮想化や、シンクライアントの導入などが検討されました。しかし、仮想化やシンクライアントの導入には、それなりの設備投資が必要になるため、費用の面で折り合いがつきませんでした。

南九州市人物1
南九州市人物2

SeP移行もトラブルはなし
全系統の端末統合も視野に

そうした環境下でSePを選定していただいた理由を教えてください。

志々目氏 まず、SePのセパレートオプションで三層分離の環境を構築すれば、非常に安価です。SeP導入と同じコストで仮想化やシンクライアントによる三層分離を実現しようとしても、到底できません。

SePによる三層分離では、1台の端末にLGWAN系とインターネット系の2系統を入れることで、庁内の端末の台数を減らせ、コストを削減できます。インターネット系のPCは先ほど言ったように、課や係に1台ずつでしたが、それでも南九州市全体で120~30台はありました。セパレートオプションの導入により、それらの端末を全てなくすことができました。その結果として、庁舎内にあるPCの台数を3割、減らすことに成功しています。

さらに端末に2系統の機能を統合したことにより、これまで複数人で使っていたインターネット系を、職員全員が使えるようになりました。つまり台数を減らしつつも、業務効率を上げることに成功しています。

また、セキュリティを強固にできることも利点です。SePの機能で暗号化された領域にのみデータを持つことが実現され、端末を紛失した際の情報漏洩のリスクが激減しています。そのため盗難や紛失による情報漏洩の危険性により完全に禁止していたPCの持ち出しを、業務によって必要となる庁舎間でのみ許可を出せるようになりました。

これは、SePの導入でセキュリティが改善された結果、業務効率についても改善がなされた例と言えます。

導入して、SePを実際に使っていただいた使い勝手などを教えてください。

志々目氏 SePは、何回かにわたって段階的に導入をしており、直近では180台への導入をしました。しかし、SePに関する大きなトラブルはありませんでした。

もちろんセキュリティが強くなっていますので、わずかですが使い勝手が変わった部分があります。例えば、そのまま送るとファイルが暗号化してしまう、ということですね。それでも特段騒ぎになるようなことでもありませんでした。セキュリティを強くするということは、職員にも話していますから…。

ファイルを添付した際に自動的に暗号化することなどは、うっかりミスで誤送信した際のトラブルを防ぐことを考慮すると、むしろ安心して利用できるとも言えます。

あとはネットワークの切り替えについて、使い勝手が向上しました。南九州市では、インターネット系に県クラウドの回線を利用しています。しかし、最近はサイバー攻撃を受けたり、災害時のような緊急時に繋がらなかったり、という場面が発生しています。そういった場合に、応急的に切り替えられる回線を、別途、設定しています。

この回線への接続は、SePセパレートオプションの方で、切り替えて使えるようにしてあります。普段は、職員用に公開していませんが、緊急事態で使用すべき場面となったら、設定を一斉に配信して、使えるようにする、という方法を想定しています。

県クラウドを介したインターネット系、緊急時用のインターネット回線、そしてLGWAN系の3つに、1台のノートPCで接続することができます。そのため、どこの会議室に端末を持ち運んでも、無線Wi-Fiでセキュアに接続して、LGWAN系を見ることができますし、切り替えるだけで、インターネット系も見られます。そういう点から見てもセキュリティのみならず、業務効率と言う面でSePは寄与しています。

現在、インターネット系とLGWAN系にSePを導入されていますが、基幹系への導入というのは検討されていますか?

志々目氏 できるならば、最終的には導入したいというのが本音ではあります。ただし、どうしてもマイナンバーなどを管理する基幹系の端末となると、現在SePを導入しているLGWAN系やインターネット系よりも、強いセキュリティの担保が求められてしまいます。技術的には、できるのは理解しています。そして、今後そうなると使い勝手も非常に良くなるだろうということも予想が付くのですが、もう少し様子を見たいと考えています。

基幹系へのSeP導入を希望されるのは、やはりコスト削減の一面もあるのでしょうか?

志々目氏 そうですね、コストの問題もありますが、一番は場所の問題ですね。南九州市の基幹系の端末はすべて、固定式のデスクトップPCです。これが150台もあると、意外と場所をとります。

南九州市では、令和8年からの新庁舎のモデル構想を進めています。職員の机を固定しない、いわゆるフリーアドレスというものです。しかし、そうなった際には、1職員あたりの作業スペースが小さくなってしまいます。そこにさらに基幹系のデスクトップPCを150台も置くとなると、スペースが全く足りなくなると予想されます。

一方、セパレートオプションを導入すれば、新しい端末を用意せずに、職員の持つ一台の端末から基幹系へつなげられるようになります。それに伴い、基幹系用の150台のデスクトップPCが不要になる訳ですから、場所の問題は一気に解消します。

キッティングは市職員が内製化
自動化ソフトで100台規模の導入も

南九州市様にはSePだけではなく、弊社の自動化ソフトウェアであるAIHHをご利用いただいています。ご利用に至ったきっかけや背景などを教えてください。

南谷氏 南九州市では、キッティングに関してはコストをなるべく抑えるために外部への委託でなく、職員で進めています。そのため、SePを導入する際、全台へインストールするとなると、かなりの作業になることを、悩んでいました。そこで、ハミングヘッズさんから「キッティングなどを自動化できるソフトウェアがある」と提案を受けたので、使ってみたのがきっかけです。

これまでも他社様のRPAソフトウェアも使用はしていたのですが、どうしても使える業務や作業を選んでしまいます。AIHHは、そのようなことがありません。したがって、他のRPAではできない部分についてAIHHで実現する、といった使い方もしています。

AIHHでしかできないというと、例えば、再起動を挟んでも作業を続行させられるとか…です。キッティング作業に関して言うと、再起動はつきものですから、これができないと自動化はできません。

志々目氏 AIHHは、自動化された際に、押す場所を画像ではなく、オブジェクト名で認識しているので、比較的、動かしやすいというのも使い易かったです。画像認識を使う必要があるRPAソフトウェアは、デスクトップの画面がずれているとうまく認識できないなど、スムーズに動かしていく上での問題が多いのです。

オブジェクト名による認識も、再起動後の作業継続も、こういったソフトウェアに詳しくなればなるほど『すごい』という実感がわいてきます。

もちろん、自動化するためのシナリオや、手順を作成する必要がある部分は変わりません。しかし他社様のRPAでは、ウインドウの場所とか、サイズとか、表示させるタイミングとか、そういうシナリオ以外のことを考えなくてはいけません。AIHHはシナリオを考えることだけに集中できるので、そういったわずらわしさとは無縁でしたね。

南九州市様では、キッティング作業を自動化させるためのAIHHのコマンドファイル※も職員様の手で作られたのですよね?

南谷氏 最初の1回だけは、ハミングヘッズさんに作っていただきましたが、2回目以降は見様見真似から始まり、最終的には、問い合わせらしい問い合わせもせずに、コマンドファイルを完成させることができるようになりました。

自動記録を使って、その後、調整・手直しするというやりかたで、作っています。

インストールそのものの時間はかかりますが、一度コマンドファイルができてしまえば、5台ほど同時にインストールを走らせて、職員は止まったりしないかのチェックをするだけで済みます。

スピードも上がっていくので時間短縮にもなるのはもちろん、さらには間違った入力や、作業のやり忘れがないのも良いです。何百台と手作業でやっていると、人間の手でやることですから、うっかり飛ばしてしまうこともあります。しかしAIHHで行うキッティングには、そういった『うっかり』が一切ありません。

※コマンドファイル…AIHHを動かすための命令文が記述されたファイルのこと

キッティング作業以外にAIHHを活用されていますか?あるいは今後、活用する予定はありますか?

志々目氏 最初はキッティングだけのイメージでした。しかし、SeP導入のためのコマンドファイル作成を経て、使い方もわかってきました。これからはその他の様々な業務にも組み込んでいきたいと考えています。

市役所で行っている多数の業務を洗い出した結果、RPAを使えば解決できるだろう業務がたくさんあることが判明しています。

例えば、伝票の起票などがそうです。毎月、同じような伝票が来て、金額もほとんど変わりません。そういったものを毎月、何百枚も切らなくてはいけません。職員は、月の内、何日間かを、その単純作業だけに費やす必要があります。こういった作業は、AIHHでできると思っています。人口減少で職員の数は減っていく。でも業務はさらに増えていく。だから機械でできるものは機械でやらせるべきです。

ほかにもまだ、AIHHの可能性を知らないところが結構あると思います。それを知ることができれば、まだできることはいっぱいあると思っています。

情報漏えい対策ソフトウェアであるSePの機能を存分に活用することで、セキュリティの向上のみならず、業務効率のアップや、費用削減まで実現された南九州市様。さらには弊社の自動化ソフトウェアAIHHを活用され、キッティングに加え、事務作業の自動化など将来像として構想されています。新たな発想で、製品の活用を模索され、より市役所内の環境を改善し続ける、南九州市様をハミングヘッズは今後も支援させていただければと思います。

南九州市様 オフィス環境
【物理環境】
  • ライセンス数 SeP 500台 / AIHH 5台
  • PC環境 Windows 10
導入製品
  • セキュリティプラットフォームベーシック+AD evolution/SV
  • セキュリティプラットフォームトレーサオプション+AD
  • セキュリティプラットフォームイントラネットオプション
  • セキュリティプラットフォームエンクリプションオプション
  • セキュリティプラットフォーム セパレートオプション
  • エーアイハミングヘッズ

※本内容は、2023年9月現在のものです。製品・サービス内容・仕様については事前の予告なしに変更されることがあります。
※ハミングヘッズ、ハミングヘッズセキュリティプラットフォーム、AI Humming Heads、AIHHはハミングヘッズ株式会社の商標または登録商標です。その他記載されているブランド名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

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