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現代アートフェア「G-tokyo 2010」が開催

 日本の15のトップギャラリーが注目する現代アーティストの作品を展示販売するアートフェア「G-tokyo 2010」が2010年1月30日、31日に東京都・六本木ヒルズ52Fに位置する森アーツセンターギャラリーで開催された。国際的に活躍する53名の作家が参加し、国内外から注目を集めた。

「G-tokyo 2010」に大勢の来場者がつめかけた
「G-tokyo 2010」に大勢の来場者がつめかけた
 古い絵画や歴史的な作品を扱った展示会や美術館に足を運ぶ人は増えているが、現代アートに触れる機会はまだ十分とは言えない。だが、リアルタイムに生み出される現代アートこそが時代を映し出しており、自分たちが生きている今どんな作品が作り出されているのかといった関心を寄せる人が増えている。「G-tokyo 2010」は、そんな想いを形にしたイベントだ。
 「G-tokyo 2010」は、この数年日本で現代アートシーンをけん引してきたギャラリーが一堂に介したアートフェアで、国際的なアートマーケットのダイナミズムを肌で知る15ギャラリーが日本のみならず海外に向けて質の高い現代アートを紹介。作品は絵画だけでなく、立体、写真、映像、インスタレーションなどまさに今を映し出す作品が多く展示された。
 また、展示方法は各ギャラリーにゆだねられているため、1人のアーティストの作品を展示するもの、グループ展と位置付けて複数名のアーティストの作品を展示し、その空間を楽しんでもらうといったものなど、多岐にわたった。直接アーティストやギャラリーオーナーと話せることもできるためか各ギャラリーとも人でにぎわい、海外からの来場者も多数訪れていたため、会場ではいろいろな言語が飛び交っていた。
 小山登美夫ギャラリーでは、サイトウマコト氏の作品が展示された。小山登美夫ギャラリーは、世界的にも有名なギャラリーで東京と京都にギャラリーを持つ。サイトウ氏は、 クリエイティブ・ディレクターであるが近年アーティスト活動を開始し、今回は「サイトウマコト/映像の記録と記憶」展と題し新作を6点発表した。
サイトウマコト
Two Moon [Point to Point?LIFE]
2009年
(C) Makoto Saito, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
サイトウマコト
Two Moon [Point to Point   LIFE]
2009年
© Makoto Saito, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
新作について語るサイトウ氏
新作について語るサイトウ氏
 サイトウ氏は、「自分が何者であって何がしたいのかということを探っている。作品はそのプロセスだ。今回の作品群は、幼少期に観た映像の記憶を今の自分が回想したときに、自分がどういう形で表現をするのか、表現しながら何を思うのかを楽しんだ」と語った。

 また、ミヅマアートギャラリーでは、電柱を華道の様式に見立てた山口晃氏の個展「柱華道」展を開催。ワコウ・ワークス・オブ・アートでは、ドイツ出身のゲルハルト・リヒター氏の作品を展示し、写真の上に直接油彩やエナメルなどを使って描く「オーバーペインティッドフォトグラフ」の作品を複数点出展していた。
 そのほか、SCAI THE BATHHOUSEでは、名和晃平氏がキュレーターとなり“光(あるいは闇)とテクスチャー”というテーマでアーティスト5名の展示を行ったり、ヒロミヨシイでは小金沢健人氏、泉太郎氏、井上信也氏の3人展を行ったりと、多種多様な展示がされていた。
(左)ミヅマアートギャラリーでの山口晃氏の展示風景
(中央)ワコウ・ワークス・オブ・アートでのゲルハルト・リヒター氏の作品展示の様子
(右)SCAI THE BATHHOUSEでの展示風景
(左)ミヅマアートギャラリーでの山口晃氏の展示風景
(中央)ワコウ・ワークス・オブ・アートでのゲルハルト・リヒター氏の作品展示の様子
(右)SCAI THE BATHHOUSEでの展示風景
 自分たちと同じ時代に生きて活動しているアーティストが、今何を感じ、生み出すのか、そしてそれを見た人たちがどんな感情を生むのかを考えさせられたイベントであった。今を映し出す現代アートに今後も注目していきたい。


※このイベントとセキュリティプラットフォームは一切関係ありません。




注釈

*:インスタレーション
現代美術の表現方法の一つ。特定の空間や屋外に平面や立体、あるいは装置などを置いて、その空間全体を作品として体験させる手法。


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