「情報大航海プロジェクトシンポジウム」が開催:イベント・セミナーレポート:HH News & Reports:ハミングヘッズ

ITをもっと身近に。新しい形のネットメディア

- Home > コラム > イベント・セミナーレポート >「情報大航海プロジェクトシンポジウム」が開催
 コラムトップページ
 インタビュー記事 ▼
 イベント・セミナーレポート ▼
公認会計士松澤大之
内部統制で変革すべき
は“個人の意識”
(動画あり)

「情報大航海プロジェクトシンポジウム」が開催

 2009年3月26日、青山TEPIAにて「情報大航海プロジェクトシンポジウム」が開催された。


会場には200名以上の参加者が詰めかけた
会場には200名以上の参加者が詰めかけた
 インターネット上の情報をはじめ、GPSを活用した位置情報・移動情報、または個人の消費に係わる情報など、大量かつ多様な情報に囲まれ生活している昨今、個人や事業者がいかに必要な情報を簡便かつ的確に探し出し、知的欲求や価値創造、ビジネス事業に活かしていけるかは大きな課題となっている。経済産業省が音頭をとる「情報大航海プロジェクト」は、様々な企業や大学が連携し、氾濫する情報を利活用するための次世代型の検索・解析技術の開発、またその実証を行っている。
 平成19年度より3カ年計画で進行する本プロジェクトは、今回のシンポジウムで平成20年度(平成21年3月まで)の取り組みと、その成果について発表。さらにパネルディスカッションでは、情報の利活用に伴う問題として、個人情報の取り扱いや著作権など、法制度についても熱のこもった議論が行われた。

新型検索エンジンなど、新技術が体験できる展示スペースも盛況
新型検索エンジンなど、新技術が体験できる展示スペースも盛況
 同プロジェクトは、米国企業の検索エンジンに独占されている日本のインターネット環境において、国内独自の検索・解析技術の開発や、それらを生かした実証事業の実現に取り組んでいる。 そのためには産官学をあげた協力体制が必要であるとし、次世代型の情報検索・解析の技術開発として「共通技術」という取り組みが紹介された。
 これは、将来様々なサービスを展開する際に再利用可能となる技術とされ、各事業者がこれらの技術を基に独自システムの開発・事業化を行っている。会場では数々の先端事業がデモンストレーションを交えて披露され、このような取り組みが技術開発の効率化、ひいては産業の活性化をはかる上で重要な役割を果たすとして期待されている。

「情報大航海プロジェクト」は、事業・制度・技術の3つの観点から情報活用のあり方を考える
「情報大航海プロジェクト」は、事業・制度・技術の3つの観点から情報活用のあり方を考える(クリックすると拡大します)
 また新技術をはじめとする“先端事業の実証”だけでなく、事業展開する上で障害になる“制度的課題”についても言及された。一橋大学 堀部政男名誉教授は「デジタル融合時代におけるパーソナル情報の活用」と題し講演。情報化社会において、いかに情報の利活用を図るかが議論になる昨今、「パーソナルな情報を利活用する上で重要なことは、公開したくない自分の情報は守られるという安心感、信頼感であることを強調しておきたい」とした。続いて、東京大学生産技術研究所 喜連川優教授も「情報爆発時代においては、今までの法制度では想定していなかったような領域の問題が起こっている」と述べ、情報産業における新規サービス・技術の開発とともに情報取り扱いにおける“レギュレーション(規制・規則)”への問題提起をした。

 多くの新しい共通技術が生まれ、公開・活用されつつある環境で、これら技術をどう活用していくのか。情報の利活用にあたり権利制度やプライバシー保護の問題をどうクリアするのか。様々な課題はありながらも、活発に新技術の発表や議論が交わされ、情報爆発時代の新たなイノベーションを体感できたシンポジウムであった。


※この講演とセキュリティプラットフォームは一切関係ありません。



お問い合わせ

  コラムトップページへ▲