セミナーレポート

スマホゲームが基軸のTGS2014

HMDを利用したゲームや新型Xboxの展示も

2014/10/30

 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は2014年9月18日、幕張メッセで東京ゲームショウ(TGS)2014を開催した。日本を含む32の国と地域から出展があり、出展社数は国内429、海外202だった。4日間で歴代2位の25万1832人が訪れた。

SCEのブースでは仮想現実を体験できる
HMDを使ったゲームを展示
SCEのブースでは仮想現実を体験できるHMDを使ったゲームを展示

スマホゲームのタイトル増加


 今年の東京ゲームショウはスマートフォン(スマホ)を中心に、据え置き型やPC、様々なプラットフォームに対応したゲームの展示が行われた。また、ソニー・コンピュータ・エンターテイメント(SCE)のブースではVR(仮想現実)に対応するヘッドマウントディスプレイ(HMD)を展示。参加者による長蛇の列が見られるなど、ゲーム業界の新しい動きを感じることができた。


 また、国際化も大きく進んでいる。出展地域は韓国・中国はもちろん、ミャンマーやラオスといったアジア諸国の参加が増えているほか、欧州からもスウェーデンやデンマークなど北欧の国からも参加があるなど、様々な国からの出展が目立っていた。


 スマホゲームのタイトル数も飛躍的に高まっている。iOSに対応しているゲームタイトルが2013年には114本だったものが、2014年には259本に増加。またAndroidについても2013年には112本だったものが246本になるなど、昨年の2倍となった。一方、据え置き型ゲームに関してはMicrosoftのブースで、日本で初めてのお披露目となったXbox Oneが展示。WindowsのPCゲームとあわせて、およそ30タイトルのゲームが紹介されており、およそ100台の試遊台が並んでいた。

Microsoftのブースでは日本初お目見えの
Xbox Oneに参加者が多く詰めかけた   コロプラ代表取締役 馬場功淳氏
Microsoftのブースでは日本初お目見えのXbox Oneに参加者が多く詰めかけた   コロプラ代表取締役 馬場功淳氏

激しく変化する業界の流れ


 TGS2014では、業界の有識者による講演も行われていた。CESA会長の鵜之澤伸氏は、業界の流れについて講演。「ここ10年ほど、激しい変化がゲーム業界におきている」とし、インターネットの登場がその変化の原因だとした。さらに近年はスマホの登場により、ゲームの主役が変わっているという所感を述べ、非常にダイナミックなスピード感を業界全体に感じるとしている。


 海外でも人気のスマホRPGタイトル『ブレイブ・フロンティア』を発売しているエイリム代表取締役の高橋英士氏は、2013年暮れからのゲーム業界のニュースを振り返った。高橋氏は、ソフトバンクによる世界大手のゲームメーカー・スーパーセルの買収と、角川とドワンゴが統合し、「ニコニコ動画」が海外展開することを印象に残ったニュースとして列挙。さらに動画をスマホで見ることが日常的になっているとして、動画が様々なメディアで地殻変動を起こすとした。


 また国内で『魔法使いと黒猫のウィズ』『白猫プロジェクト』など高いダウンロード数を誇るタイトルを発売しているコロプラ代表取締役の馬場功淳氏も講演。馬場氏は気になっていることとして、キャリアの通信制限を挙げた。馬場氏は自身のスマホで『白猫プロジェクト』をプレイしていた際に、ゲーム画面の読み込みに時間がかかったことに言及。キャリアに連絡したところ、通信制限がかかっていたことがわかったという。その点を踏まえ、動画を見る際に容量が必要となるはずと発言。ゲームと動画を連携させる際、その折り合いをどうつけるかがカギになるとした。


各社の海外展開


 一方、セガネットワークス代表取締役の里見治紀氏は「様々な分野で久しく日本が世界の中心となることはなかったが、スマホゲーム市場については日本が世界で一番大きいことが興味深い」と発言。さらに、ガンホーから発売されている“王者”パズドラ(パズル&ドラゴンズ)が2014年5月に月間ダウンロード数国内1位から陥落し、ミクシィから発売されたモンスト(モンスターストライク)が台頭してきたことに触れた。


 里見氏は「人気ゲームが首位から陥落したということは、スマホゲーム市場自体が伸びており、更なるゲームがリリースされている証拠」として、ゲーム業界にとっては明るい兆しであるという見解を述べた。


 また、海外展開についても各社所感を述べた。コロプラの馬場氏は、当面の目標として日本にある企業なので、一番望むパターンは日本市場に強くしたいとしながらも「海外売上比率を4割、5割にはしていきたい。ゲームタイトル自体は潜在能力があるはず」と発言した。


 日本発ゲームの海外進出が増える中、エイリムの高橋氏はこれから海外に出るときに、「言語と地域」に注目すべきだと説明。「どの言語で出せば、どれだけの地域をカバーするのか、かなり違う。例えば、英語は当然、一番広く出せる。韓国語だと韓国だけの地域となる」とし、どの言語をまずリリースするのかが非常に重要になるとした。


 年々、海外のゲームメーカーの出展が目立っており、スマホゲームの存在感が増すなど、大きな変化が感じられる東京ゲームショウ。第一線で活躍する著名人の講演も聞くことができ、ゲーム業界では唯一無二のイベントとなっているのを強く感じることができた。

(山下雄太郎)

【セミナーデータ】

イベント名
:TOKYO GAME SHOW 2014
主催   
:一般社団法人コンピュータエンターテイメント協会(CESA)
開催日  
:2014年9月18日~21日
開催場所 
:幕張メッセ(千葉県千葉市)

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