セミナーレポート

TGS2013、スマホ時代のゲーム戦略

コア層狙うソニー、「パズドラ」でマスを取り込むガンホー

2013/10/21

 スマートフォンの普及で、プレーヤーのすそ野が広がったゲーム。2013年9月19日から4日間、今年も行われた東京ゲームショウ2013では、ゲーム関連企業トップから、今後の展開について方針が示された。

SCE代表取締役のアンドリュー・ハウス氏
SCE代表取締役のアンドリュー・ハウス氏

ソニーはコアゲームに


 2013年11月に北米・ラテンアメリカ・欧州での発売が決定したソニーのゲーム機、プレイステーション4(PS4)。基調講演で登壇したソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のアンドリュー・ハウス代表取締役は「コアゲーマー向け」と、PS4のコンセプトを述べた。


 ハウス氏はアクションゲーム「グランド・セフト・オート4」が累計2500万本を売り上げていることを引き合いに、AAAゲーム(クオリティの高いゲームソフト)でも市場規模は侮れないことを強調した。


 PS4のハード面は、CPUでのコストダウンを図る一方で、当初予定していたメモリの容量を4GBから8GBに拡張している。こうした設計のコンセプトは「よりゲームへの没入感を出す」ためだという。また、付属のカメラを利用したAR(拡張現実)ソフトもプリインストールで付いている。


 既存のゲーム機ユーザをターゲットにしたPS4だが、「誰もがつながる環境を提供したい」(ハウス氏)と、ネットワークを通じたSNSとの連携も強化している。その1つがコントローラーについている「SHARE」ボタン。プレイ中の画面をキャプチャして、FacebookなどのSNSへ投稿ができるような仕組みになっている。

PS4のARソフト「プレイルーム」のデモ   ガンホーブースで行われたトークイベント。
同社提供のドラマ出演者も登場した
PS4のARソフト「プレイルーム」のデモ   ガンホーブースで行われたトークイベント。 同社提供のドラマ出演者も登場した

 加えて、PS3から続いている「フレンド機能」では、実名でのアカウント登録も任意で可能となった。これについてSCE・SVP兼第一事業部長の伊藤雅康氏は「ハードユーザは匿名でいいかも知れないが、ライトユーザからしてみれば、知り合いだけを承認したい。オンラインゲームの敷居を下げるため」と説明した。


 ゲーム開発環境については、小規模チームでもPS4のゲーム開発が行えるよう、SCEが技術面などでサポートしていくという。コアゲーマーをターゲットにしつつ、ライトユーザも取り込んでいくPS4。2013年度は全世界で500万台を販売しようという強気の戦略だ。


ガンホーは「大人から子供まで楽しめるゲーム」


 続いて登壇したガンホー・オンライン・エンターテイメント(ガンホー)の森下一喜代表取締役社長。「これまでゲームに触れていなかったユーザにもプレイしてもらった」と、1900万ダウンロードを記録したスマートフォン向けゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」の人気を振り返る。


 パズドラのゲーム画面は縦型だが、当初は横向きで設計していた。しかし「『電車のつり革につかまりながら』ゲームすることを考えると、片手でスマホを操作することになる。それならば縦の方がやりやすい、ということで変えた」(森下氏)という。


 パズドラは、パズルゲームとRPGを融合させたゲームだ。ゲーム中の戦闘シーンでは、パズル絵柄をフリック操作で合わせて敵に攻撃を仕掛ける。この攻撃時のフリック操作に「気持ち良さ」を求め、隣にしか行けなかったパズルをどこでも置けるようにしたり、フリックする音のタイミングもこだわって何度もダメ出しをしたり、という開発エピソードも披露した。


 パズドラの驚異的なヒットの追い風を受けて、今回のゲームショウでも巨大なブースを出展。ガンホー1社提供のドラマ出演者を招いたトークイベントを行い、勢いのよさを見せつけた。


 スマホやガラケーのゲームも、ゲームシステムを含めて飽和感が少なからずある。こうした環境の中でPS4は、SNS機能など、ゲーム以外のエンターテインメント要素を盛り込み、ゲームのライトユーザを取り込もうとしている。


 モバゲーを始めとしたガラケー向けのゲームからスマホへの移行、さらにはコアゲーマー向けハードへの回帰やSNS連携…。2010年代のゲームビジネスは、ゲーム以上にめまぐるしい展開が続いていく。

(中西 啓)

【セミナーデータ】

イベント名
:TOKYO GAME SHOW 2013
主催   
:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)
開催日  
:2013年9月19日~22日
開催場所 
:幕張メッセ(千葉県千葉市)

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