セミナーレポート

光通信&ディスプレイの技術展示会

海外からの来客・出展も多数

2013/5/7

 2013年4月10日から12日にかけて東京ビッグサイト(東京国際展示場)で、光に関する技術の展示会「Photonix(フォトニクス)2013」が開催された。光通信に関する技術以外にも、レーザー加工や光によるセンサーなど、幅広い業界から展示があった。展示企業の中には英語や中国語のパンフレットのみを用意している企業もあり、海外からの参加者が多いこともうかがえた。

業界関係者以外にも、専門誌のプレス取材も多くあった
業界関係者以外にも、専門誌のプレス取材も多くあった

光通信を支える技術群


 現在普及している手段の中で、最も高速で安定した通信は間違いなく光通信だろう。光通信で現在主流になっている通信速度は40Gbpsと100Gbps。そのため、展示されていた機器も40Gbpsと100Gbps双方に対応する機器(=40/100G機器)が主流となっていた。


 展示会場内では、40/100G対応のケーブル本体や、ケーブル同士を素早く接続する機器、中継機、ネットワーク機器、クラウドサービスを始め、海底用の光ケーブルや、ほか光通信を利用したセンサー機器など、光通信を維持するために必要な様々な機器が展示されていた。


 惑星探査機はやぶさや、はやぶさ2などにも一部部品を提供している、日本マルコは、回転するような接続部でも光による通信を継続するためのコネクタを展示。このコネクタは「非接触型」の光通信技術であり、ケーブルに360度以上のひねりが入る環境でも通信を接続できる。


 これまで、360度以上回転する環境下でのコネクタは「ほうき状」で作られていた。これは、ほうきの先と台のようなものが接触して通信を行うもので、いくら回転をしてもケーブルそのものにひねりを加えられることがないため、通信が維持できた。しかし、ほうき状の先端が摩耗したり、あるいは振動で一瞬、ほうきの先と台と離れることでノイズやちらつきが発生するといった問題点を抱えていた。


 これらの課題を解決した同社の「ロータリーコネクタ」は、発光素子で光を空中に打ちだし受光素子で受け取るという光信号伝送技術を使った製品。「風力発電やロボットの可動部、回転広告塔の回転部、ターンテーブルの回転部、アミューズメント機器など幅広い可能性があります」(日本マルコ担当者)とのことだ。


 会場内では、こうした光通信のためのハードウェアの展示がかなりの部分を占めていた。一方で、ハードウェア以外の展示で目立ったのは、横河メータ&インスツルメントなどで出していた「テスタ」だ。


 敷設工事や保守点検をする際に、通信データ(光)の減衰や、通信障害が発生した際の原因箇所特定などを調査する機器を利用するためには、専門的な知識が必要だ。しかし、新しい「テスタ」では、事前にパラメータを入力したり、あるいはネットワークから情報を入力したりすることで、これらの作業をほぼオートで行うことができるようになっている。これにより「特別な専門家を育成することなく、簡単な操作で試験が行えるようになりました」(横河メータ&インスツルメント担当者)という。こうしたテスタにより、試験・施工期間の短縮化やコストの大幅削減が見込まれるだろう。


 製品の展示以外では、第51回技能五輪全国大会の「情報ネットワーク施工」予選会が行われていた。技能五輪とは毎年11月に行われ「機械組み立て」や「電気溶接」「左官」「造園」「アニメーター」など、様々な職種の若手が集い技能日本一を決める大会だ。会場のオープンスペースで行われた予選会では、多くの技術者が集い、ケーブル施工や光配線の技術を競い合っていた。

第51回技能五輪全国大会予選会の様子   日本マルコのロータリーコネクタ
第51回技能五輪全国大会予選会の様子   日本マルコのロータリーコネクタ

32点同時タッチが可能? タッチパネル新技術も


 Photonix2013のすぐ隣では、タッチパネルやディスプレイに関する技術の展示会「ファインテック ジャパン」も開催。最新技術のタッチパネルやタッチパネル製造に関わる接着などの技術ほか、4Kテレビの展示やLGなどの海外メーカからの出展があった。


 出展企業の1つであるタッチパネル研究所は、1998年の創業以来タッチパネルの研究を重ねてきており、航空機内などに設置されたパネルで世界シェアを目指している。同社の展示物には「メタルメッシュ」を使った静電容量方式のタッチパネルが多数あった。


 現在、市場に出回っている大半の静電容量方式のタッチパネルでは、指が画面に触れたことを感知するために、液晶の表面(あるいは内部)に貼られた透明で薄い膜「ITO(透明導電膜の原材料、酸化インジウムスズ、Indium Tin Oxideの略)」が利用されている。ITOは、電気抵抗が高く大画面には不向きで、スマートフォンサイズがせいぜい。また透明膜といいながらも若干黄味がかっていることもあり、実際に液晶が発色している色合いと、ユーザが目にする色が異なっていた。


 今回タッチパネル研究所が展示していた「メタルメッシュ」は電気抵抗が低く、大型のタッチパネルでの利用が可能。さらに色合いの阻害もないため、将来的には忠実な色合いの再現が必要になってくる医療用などの用途も考えられている。


 個人レベルにおいては、無線による通信が主流になりつつある現在において、安定的に高速度を保つ光通信がどこまで存在感を誇示できるか。海外企業も飛躍する中、非常に高いレベルの技術を持つ日本の業界はどうなるのか、今後も目が離せない。

(井上宇紀)

【セミナーデータ】

イベント名
:Photonix2013/ファインテック ジャパン
主催   
:リード・エグジビジョン・ジャパン
開催日  
:2013年4月10日~12日
開催場所 
:東京ビッグサイト(東京都江東区)

【関連カテゴリ】

その他