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2014/11/13

メディア・リテラシー

高まるメディア・リテラシーの重要性

 メディア・リテラシー(Media Literacy)とは、インターネットや新聞、テレビなどが発信する情報を見きわめ、理解・活用する能力のこと。膨大な情報の中から必要なものを取捨選択するという観点から、広義には「情報リテラシー」を指す。政府は、特に放送分野のメディア・リテラシーについて、「主体的に読み解く能力」と「メディアにアクセスし、活用する能力」「メディアを通じコミュニケーションする能力」の3要素による「複合的な能力」と定義している。


 ITによる情報化やソーシャルメディアなどの登場により情報量は日々増え続けている。容易に情報を手に入れることができるようになったが、その情報の正誤などを見極める難しさや、メディアの情報を鵜呑みにしないことの重要性は増している。併せて、ブログやソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)などが活用できるようになり、手軽に情報を発信できるようになったことからも、メディア・リテラシーの重要性は高まっている。


 「国際連合教育科学文化機関」(ユネスコ)は1982年、メディア教育に関する宣言を発表。宣言は、テレビや新聞、雑誌、ラジオなどのメディアが生活に身近になった一方で、メディア教育が進んでいないことを危惧し、メディア教育の必要性を訴えた。ユネスコは2014年3月にも、メディア・情報リテラシーに関する行動計画・戦略を発表している。


 国内では総務省が、2001年にメディア・リテラシーを向上するための教材を作成。2006年度には、特にICTメディアの健全な利用促進を目的に、小学校高学年向けの総合的な育成プログラムを開発した。このほか、中学・高校生向けの教材を公開しているほか、「子どもから高齢者まで」が学習できる教材も作成、同省ホームページで公開している。


 また、男女共同参画社会基本法*1に基づく「男女共同参画基本計画*2」では、「メディアにおける女性の人権の尊重」が掲げられ、「メディア・リテラシーの向上」が盛り込まれている。具体的な施策として、メディアには女性の人権を尊重することを十分念頭に置いた基準を策定・順守することを要請。メディアの健全な発達には、批判的な読者・視聴者の目に晒されることが不可欠とし、国民、特に青少年のメディア・リテラシーを向上することでメディア社会に積極的に参画する能力をはぐくむことも挙げた。


 これらを受けて、地方自治体の中には男女共同参画の取り組みを紹介するホームページで、メディア・リテラシー等について解説している団体がある。例えば、京都府精華町は、メディアが伝える情報が「いつもありのままの現実を表しているとは限りません」と強調。「メディアから得る情報を無条件に受け入れていると、知らず知らずのうちにさまざまなイメージが刷り込まれてしまうことがあります」と注意喚起している。


メディア・リテラシーの功罪


 1994年6月27日、マスコミによる報道被害例として教材にも取り上げられる「松本サリン事件」が長野県松本市で起きた。オウム真理教による同事件では当初、事件の第一通報者で被害者でもある河野義行氏がマスコミ等に容疑者として見なされた。事件を巡る報道のあり方などを受け、一般社団法人日本記念日協会は、毎年6月27日を「メディア・リテラシーの日」と制定している。


 一方、東日本大震災の発災直後、Twitterでは公式情報と“デマ”が混在して拡散されていた。そのような中で当時の東京都副知事・猪瀬直樹氏は、「障害児童施設の園長である私の母が、その子供たち10数人と一緒に、避難先の宮城県気仙沼市中央公民館の3階にまだ取り残されています。(以下続く)」との救助要請ツイートを目にし、その内容に間違いはないと判断。東京消防庁のヘリ派遣を指示し、公民館屋上に取り残されていた446人全員を救出した。

東日本大震災発災でのツイッターを通じた救助要請等のやり取り(twilogより)
東日本大震災発災でのツイッターを通じた救助要請等のやり取り(twilogより)

 このほか、番組制作や広告などメディアの流す情報にはスポンサーや広告代理店が関係していることがある。都合よくシーズンごとに変わるファッションなどの流行や、番組で取り上げられた食品が各地のスーパーマーケットなどで品薄になるなどの現象は、巧みに仕掛けられたものとも考えられる。目や耳にした情報を有効活用していくには、メディアからの情報を鵜呑みにするのではなく、主体的に必要な情報を選択・判断していく姿勢が求められる。

(高橋 慧)

注釈

*1:男女共同参画社会基本法
「男女共同参画」を実現するための基本理念を掲げたもの。行政、国民それぞれが果たすべき役割を定めている。

*2:男女共同参画基本計画
男女共同参画社会基本法に基づく計画。国と都道府県には策定義務、市町村には努力義務がそれぞれ法に規定されている。

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