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POSデータ
POSデータの概要
POSデータとは、POS(Point of Sales:販売時点情報管理)システムで収集した小売り現場の購買情報。「いつ」「どこの店舗で」「どの商品が」「いくつ売れた」などの情報が数値化されている。流通業界等は、蓄積されたPOSデータを分析して市場動向などを把握し、マーケティングや在庫管理、商品発注などに活用している。
収集対象となる情報項目はメーカーや導入店舗などにより様々。例えば、一般的なコンビニエンスストアのPOSシステムを導入したレジでは、商品に付加されたバーコードをスキャナーで読み取る。読み取った情報と店舗サーバの登録情報とを付き合せて商品名・価格や販売個数を、決済ボタンを押すと同時に販売時間などの売り上げ情報をそれぞれ把握する。各店舗のサーバに販売情報を蓄積し、決められた時間にネットワークを通じて本部サーバへ送信。本部は蓄積されたデータを集中管理・分析してマーケティングなどに活用する。
また、商品を購入したのが「誰」なのかを把握するため、男性が購入した場合には「青色の決済ボタン」を、女性客の場合には「ピンク色の決済ボタン」を使用して情報を得ることができるよう複数の決済ボタンを設けているレジもある。性別ごとに【10】【20】【30】【40】【50】【60】と計12の決済ボタンがあれば、購入者の性別だけでなく年齢も大まかに把握することが可能になる。
さらに、購買情報をより詳しく把握できるのが「ID付きPOSデータ」だ。各ポイントカードに割り当てられた番号とPOSデータを紐付けるもので、購入者はポイントカードを提示してポイントを得る代わりに、購買データを提供する。年齢については、利用者がポイントカードを申し込む際に性別などの情報とともに登録しているので、正確につかむことができるほか、各ユーザーが来店する頻度や同一商品の購入回数など詳細なデータも得ることができる。
これらに天候・気温の変化や近隣で行われる花火大会や運動会等のイベント情報なども加えられ多種・多量に蓄積されていくPOSデータについて、総務省は「情報通信白書」で「ビッグデータ」を構成する要素の1つとして挙げている。
日本では1980年代に普及
POSシステムは、スキャナーでバーコード等を読み取り情報を処理するが、そのバーコードは1949年に米国で開発された。1960年代には、同国の大手スーパーマーケットがレジ業務を効率化するため、バーコードを添付した商品の読み取りを開始。この仕組みを広く活用していくための統一規格として“UPC”(Universal Product Code)が制定され、他国にも同様の動きが広がっていった。日本では“JAN”(Japanese Article Number)が使用されている。
総務省の2013年版情報通信白書によると、POSレジが流通業で普及したのは「1980年代半ば」。特に1990年代以降に急速に拡大したコンビニエンスストアでは、小規模の店舗を効率的に運営するためにPOSデータの活用が不可欠だったという。世界で初めてPOS情報を活用してマーケティングを取り入れた店舗運営を行ったのも日本のコンビニエンスストアチェーンだった。
2000年前後にはポイントカードの導入が始まり、ポイントカードが共通化されるなど複数企業により購買情報が活用されるようになった。また、時代とともにPOSレジも進化し、タブレット型や無料アプリも登場している。
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| 17種類のデータを対象にしたビッグデータ流通量の推計(総務省資料をもとに一部改変) 出典:「平成25年版情報通信白書 」licensed under CC-BY 2.1 JP(クリックすると拡大します) |
「ビッグデータ」に注目が集まり、データ活用の裾野は様々な分野に拡大している。ビッグデータ全体の流通・蓄積量は年々増加しており、2005年に約0・4エクサバイトだった情報流通量は、2012年には約2・2エクサバイトと7年間で約5倍の量になった。流通量をメディア別にみると、POSデータは0・8エクサバイトと最も大きく、約3割を占めている。なお、1エクサバイトは100万テラバイトに相当する。
ビッグデータの中でも、POSデータは1980年代から活用されている“老舗”データだ。効率的な商品調達を行うために当時からPOSデータを分析してきている流通業は、データへの関心が特に高い業界だろう。購買記録に基づき、ソーシャルメディアや携帯電話の位置情報を活用した販売促進も行われるようになってきている。流通業界が取り扱う情報は今後さらに増えそうだ。
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