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2014/7/22

SSD

半導体メモリの歴史

 SSDとはSolid State Driveの略。PCに内蔵しているドライブにはHDD(Hard Disk Drive)を使っているものが多いが、その代替として近年、台頭してきた新しい記憶装置のことを指す。


 これまでメインの記憶装置として使われていたHDDは磁気を使ったデータ保存を行っているが、SSDはこれとは異なり、半導体メモリを使った記憶装置になっている。


 半導体を使った記憶装置で初期に普及した製品の1つが、PCのメインメモリのRAM(Random Access Memory)としてだ。CPUから高速にアクセスができるが、記憶容量が限られ、また通電がなくなると情報もなくなってしまう「揮発性」の記憶装置として現在に至るまで使われている。


 通電がなくなってもデータが消えない「不揮発性」の半導体メモリであるフラッシュメモリは1984年に東芝が開発したのを先駆けに、インテルなどが研究を進め、徐々に普及していく。デジタルカメラやスマートフォン、また規格化されたUSBなどの普及に伴い、フラッシュメモリにカード型のケースを付けたSDカードや、USBコネクタを付けたUSBメモリとして今日も利用されている。


HDDの代替手段として

 

 これまでPCに内蔵されている記憶装置と言えば、磁気を使った記憶装置であるHDDがメインだった。しかし、フラッシュメモリの普及とともに、コスト減、性能の向上が見られると、HDDの代替装置としてフラッシュメモリが使われるようになった。これをSolid State Drive、SSDと呼ぶ。

タブレットPCに内蔵されたSSD
タブレットPCに内蔵されたSSD

 SSDは、ディスクを回してデータを検索するHDDに比べると、回転させるモーターの駆動がない分、省電力・省スペースで、衝撃に強く、データ検索も高速である。そのためスペースや電力などのリソースが限られるタブレットPCやノートパソコンなどで利用が進んでいる。一方で、データ容量あたりの単価はSSDの方がかなり高価であり、また最大の欠点として書き込み限界、データ救出の困難さという問題がある。


 SSDを始めとするフラッシュメモリは、基板上に無数に配置された「フローティングゲート」内に、電圧によって電子を移動させることでデータを記憶する。フローティングゲートは酸化膜で覆われて絶縁されているが、データを記憶・消去するたびに、ゲートを覆っている酸化膜を電子が通過するため、徐々に劣化していってしまう。初期のものでは数百回、最近の製品では数万回程度でデータを記憶できなくなるという。


 またHDDはデータが消失した場合も、救出する方法が確立されているが、SSDの場合は方法がない。そのため、重要データをSSDに保存する際は、別途バックアップを取るなど、何らかの対策が必要になってくるだろう。


 データ単価については、かなりコストダウンを果たしてきている。SDカードやUSBメモリなどの外部媒体では1GBあたり80円程度、SSDなど内蔵型のメモリの場合は1GBあたり50円程度(25000円/512GB)まで落ちてきている。もっとも、現在、普及している磁気ディスクならば1GBあたり10円(20000円/2TB)程度のため、まだ差は大きいとも言えるが、性能や用途を考えれば十分に実用に耐えうるレベルではある。


 HDDなど磁気ディスク側でも技術的な革新は進んでいるため、SSDが全てにとって代わるということはないと思われる。しかし、今後モバイル端末やタブレットの普及に伴い、SSDの需要はますます伸びていくだろう。

(井上宇紀)

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