キーワード解説

特集などに出てきた重要語句を分かりやすく解説

2014/6/12

IoT

モノのインターネットとは

 IoT(Internet of Things)とは、直訳すると「モノのインターネット」。PCやスマートフォンだけでなく、家電や腕時計、電力メーターなど、あらゆるモノが通信モジュールを搭載し、インターネットに接続してデータが提供される環境などを指す。


 「スマートウォッチ」と呼ばれる腕時計型のウェアラブル端末も、IoTの1つだ。すでにソニーやサムスンなどからスマートフォンに連動したスマートウォッチが発売されている。

ソニーのスマートバンド
(クローズアップ「ウェアラブルデバイスの可能性 」より)
ソニーのスマートバンド (クローズアップ「ウェアラブルデバイスの可能性」より)

 リストバンド型のデバイスを装着し、ランニングの距離や位置情報、睡眠時刻など、自分の「動いた」データを全てスマートフォンに蓄積させるツールもある。


 データ収集可能なシチュエーションが格段に増えることで、様々なビジネスチャンスが増える。自動車を例に挙げれば、走行距離や目的地の履歴、平均時速などが取得できる。将来的にはスマートフォンと連携させて、走行履歴とドライバーの個人データの照合や、タイヤにチップを搭載して空気圧情報、タイヤの摩耗状況などを知ることも可能にしていく動きもみられる。


 電気メーターも、「スマートメーター」の導入が進められている。電力需要をリアルタイムで把握することが可能になり、効率的な節電が期待されている。政府の後押しもあり、2020年代には国内の4700万世帯への設置が予定されている。


IoTと密接なIPv6アドレス


 「IoT」のような言葉が誕生した背景には、IPアドレスの枯渇問題も絡んでくる。PCやサーバなどがインターネットに接続するには、端末ごとに「住所」となるものが必要だ。「PCの住所」に該当するのがIPアドレスだが、当初使われていたIPv4の総アドレス数は約43億個。70億人ともいわれる世界の人口には到底足りない。結局、2011年5月に日本での割り振りがいったん終了した。


 一方、次のアドレス規格であるv6は340兆の1兆×1兆個もある。全人類に割り振ってもなお余りある空間をもつIPv6アドレス。「余っているアドレスをモノに割り振って活用しよう」という動きは当然出てくる。


 「自宅のエアコンを外出先でリモートコントロールする」といった遠隔制御や、「患者さんにセンサーをつけて、健康状態をリアルタイムに把握する」といった利用。こうした近未来の利用形態が、IPv4アドレス枯渇時には盛んに取りざたされた。


集められたデータ


 様々な機器に通信モジュールが搭載されることで、利便性を享受できるのは確実だ。IoTがビッグデータの源泉ともなるだろう。しかし、こうして集められた情報の管理・利用方法も課題になっている。IoTのサービスによっては、データの活用とユーザへの課金がトレードオフになっているものも出てくるだろう。


 IoTのサービスを提供する企業のデータ活用の利便性を保ちつつ、ユーザ側でも自分のデータがどこに参照されているか、自己情報のコントロールシステムの必要性も今後は出てくると思われる。データの健全な活用がより一層求められてくる。

(中西 啓)

【関連カテゴリ】

トレンド