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2014/5/19

電子黒板

電子黒板とは

 電子黒板とは、板面の文字情報を紙や電気的な情報として出力できるホワイトボードのことを指す。高度なものになるとPCとの連携によりデータを投影、データへの入力なども可能になる。


 もっとも仕組みが単純で古くからある電子黒板は、ホワイトボード上をスキャンすることで情報を読み取る。スキャナーが板面を移動しながらスキャンするタイプと、フィルム状の板面を板面横に固定されたスキャナーが巻き取りながらスキャンするタイプがある。いずれにしても、スキャンした板面の情報は、接続されたプリンタから出力されるか、USBなどのコネクタを経由し画像データとして出力される。


 近年、教育現場などで広まっているのが、ホワイトボードをスクリーンとして利用し、PCの画面を投影したり、あるいは直接ディスプレイとして接続して表示したりするタイプだ。教育現場のデジタル化とともに、データ連携のコアとして普及している。


 このように電子黒板は「ボード上をスキャンするだけのもの」と「スクリーン上での入力が可能なもの」の2つに分類できる。2種類の電子黒板を区別して呼ぶ場合、前者をコピーボード、後者をインタラクティブ・ホワイトボードと呼ぶ。


電子黒板の歴史


 「コピーボード」の走りは1983年に沖電機工業から発売された「かわら版」と言われている。当時ファクシミリの技術においてノウハウのあった同社のOA部門が、スキャニング技術を組み合わせて製作した。1台75万円と非常に高額であるにも関わらず、多数の企業で会議用に購入された。「かわら版」のヒットにより、翌年より追従する製品が多数登場する。90年代前後になると、オフィスにPCが入り込むのと同時期にPCとの連携も強化するように、スキャニングした画像をデータとして取り込めるようになる。


 同じようにPCの普及に合わせて登場したのが、「インタラクティブ・ホワイトボード」だ。インタラクティブとは双方向性のこと。インタラクティブ・ホワイトボードはPC情報の投影が可能であり、一方でスクリーン側でも情報が読み取れ、PCのデータへフィードバックが可能になっている。

電子黒板の分類要
一括りに電子黒板と表現しているが、その実かなり性能が異なっている

 インタラクティブ・ホワイトボードには、さらに2種類ある。プロジェクターやホワイトボードなどに別の機材から映像を投影するタイプのものと、ディスプレイタイプのものである。プロジェクタータイプは光学のセンサーなどで、ディスプレイタイプはタッチパネルを備えることで双方向性を保持している。


 プロジェクタータイプのものは「人が操作する際にスクリーンに陰ができる」「そなえつけの場合、移動がほぼ不可能」などの欠点があるが、軽量で、表面で光の反射がないため視認性が高い。ディスプレイタイプは重量があり、光の反射などで場所によっては見づらいなどの難があるが、キャスターに取り付けることにより若干の程度の移動が可能であり、単純にテレビ放送を使うスクリーンとしても使用できる。


 インタラクティブ・ホワイトボードは、特に2010年頃から日本の小中学校で利用が拡大している。電子教科書の投影、ホワイトボード上の書き込みのフィードバックなど、日本において広がりを見せている「ICTを活用した教育」と親和性が極めて高いことが、普及した理由として考えられる。


 現在では、学校の現場を中心に利用されているインタラクティブ・ホワイトボードだが、その双方向性を生かして遠隔会議など、ビジネスの場でも利用されている。インタラクティブ・ホワイトボードを利用することで、資料の共有は容易であり、意思伝達も早くなる。単純なテレビ会議よりも、はるかに効率が良いだろう。電子黒板は今後、あらゆる現場で早く共有する意思伝達手段のコアとして、さらに幅広い利用がされていくはずだ。

(井上宇紀)

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