特集などに出てきた重要語句を分かりやすく解説
デマンドレスポンス
デマンドレスポンスとは
デマンドレスポンス(Demand Response、需要反応)とは電力を安定的に供給するために、ピーク時の消費などをコントロールすること。ピークの価格設定を高くしたり、消費の削減に応じてインセンティブを払ったりして、ピーク時の電力消費を抑える。
ピーク時の消費電力を抑えることは、その分の電力が別の時間帯で利用された場合でも意義がある。これは発電の仕組みの問題だが、電力は貯めておくことが難しい。そのため、ピーク時にも電力が行きわたるようにするためには、設備設計をピークに合わせる必要がある。つまりピークの消費電力が高くなるとその分、ピーク時に合わせたインフラ投資が必要になってくる。
一方で、原子力発電所などは容易に出力を落とせないため、常にピーク時の出力を維持しており、需要の減る時間帯には供給過多になってしまう。現在では余剰電力を使って水を引き上げ、位置エネルギーとして保存する「揚水式発電」で、ピークとのバランスを取っている。代替手段もないため、揚水式発電は主要な電力バランス調整手段となっているが、実際には30%程度の発電ロスがあるため、効率は決して良くない。
デマンドレスポンスにより、ピークの消費電力を落として、余剰が発生する時間に電力消費を移行できれば、1日全体の消費電力が平坦化される。平坦化は、こうした問題を小さくすることに寄与できるのだ。
デマンドレスポンスの歴史
デマンドレスポンスの歴史は、スマートグリッドとともにあり、2002年には米国連邦エネルギー規制委員会が、デマンドレスポンスについて言及している。同委員会ではデマンドレスポンスの具体的な方法として「状況に応じた電気利用の価格設定」「ピーク時に消費を削減した場合、インセンティブを払う」の2つを挙げている。
日本におけるデマンドレスポンスは、2011年に経済産業省が進めている「次世代エネルギー・社会システム実証事業」が目新しい。特集でも紹介している が、横浜市、豊田市、けいはんな学研都市、北九州市で行われている実証事業の中でもデマンドレスポンスは積極的に行われている。
![]() |
|---|
| 一般世帯では15%、企業では最大22%のピークカットを実現した |
こうした現在のデマンドレスポンスは、翌日の高温や低温が予想される場合に電力消費ピークの予告メールを送信したり、節電に協力する世帯やビルを募るなど、需要側の能動的な働きかけにより実現している。しかし、需要側の能動的な行動でのみ決める場合、どうしても「飽き」や「慣れ」により、効果が薄れる可能性もある。
近年では、家電側がピーク時にエアコンの設定温度を自動的に変更したり、ノートPCをバッテリー利用に切り替えたりする「自動デマンドレスポンス」の研究開発も進められている。今後「スマート」家電が増えて、ネットワークとの連携が容易になれば、スマートグリッド側の情報と連携してユーザが意識することなく、デマンドレスポンスが実現していくだろう。
「デマンドレスポンス」が出てきた記事
HH News & Reports 関連おすすめ記事
M2Mの技術を応用 リアルタイムに電力を計測するスマートメーターとは(2014/9/8)
流行している「スマート」をもう一度、詳しく解説?(2013/12/24)
RFID(2014/4/21)
ヘッドアップディスプレイ(2014/3/27)
超小型モビリティ(2014/3/20)
オープンデータ(2014/2/27)
自然言語処理(2014/2/24)
ITリテラシー(2014/1/30)
【関連カテゴリ】
その他

