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2014/3/20

超小型モビリティ

超小型モビリティの定義

 超小型モビリティとは、1~2人乗りの乗用車のこと。EV(電気自動車)を指すことが多い。現行の法律ではミニカー(原付バイク)か、軽自動車に区別される。


 国土交通省では、「自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な異動の足となる1人~2人乗り程度の車両」と定義している。


普及の経緯


 自動車の動力源は、これまでガソリンが主流だった。しかし、排ガスによって地球温暖化が促されることや、近年のガソリン価格の高騰もあり、EVに注目が集まるようになった。


 加えて世帯の単身化・高齢化が進み、ワンボックスカーなどの需要が減少傾向にある。2013年の国内での新車販売台数は、普通車やトラックは3.8%減の326万2522台、維持費用が安価な軽自動車は6.7%増加して211万2991台と、上昇傾向にある。


 社会環境の変化を受けて、自動車メーカーは「環境にやさしい小型車」の開発に、行政も規制緩和にそれぞれ動き出している。2013年1月に国土交通省は、「超小型モビリティ認定制度」を始めた。一定の条件を満たしたエリアで、車両基準を緩和して超小型モビリティを走行可能にする制度である。ここでは、大きさが軽自動車のサイズ以内で乗車定員が2名以下、定格出力8kW以下か125cc以下の自動車を「超小型モビリティ」と規定。


 自治体の申請が通れば、特定の区域内のみだが、超小型モビリティを一般道で走行させることができるようになる。この認定制度を受け、全国各地の自治体で超小型モビリティの実証実験が行われている。


横浜市の「チョイモビ」

各地で行われている超小型モビリティの実証実験
出典:国土交通省(クリックすると拡大します)
各地で行われている超小型モビリティの実証実験
出典:国土交通省(クリックすると拡大します)

 認定制度を利用した自治体の1つである横浜市では、2013年10月11日から日産自動車との共同プロジェクト「チョイモビ」をスタートさせている。横浜市内を、約100台の超小型モビリティ「レンタカー」で移動できるというものだ。


 ワンウェイ(乗り捨て)レンタルなので、「赤レンガ倉庫から山下公園まで乗って、近辺をぶらぶらする」という使い方ができる。レンタル料も1分20円で、「歩くには少しつらいが、タクシーを使って移動するほどでもない距離」にちょうど良い設定だ。


 軽自動車やミニカーに分類される超小型モビリティを運転するには、普通自動車免許が必要だ。ただし、今後の規制緩和によっては、新たな車両区分や免許制度が創設される可能性もある。


小型車の今後


 既存のガソリン車離れが進む中、次世代エネルギーでの有望株はEVと見られている。水素自動車などに比べて電力自体は日本中にインフラが整っているためだ。ガソリンと比べても災害時のインフラ復旧率は水道、ガス、ガソリン等に比べて格段に速いのも電力の特徴だ。


 「チョイモビ」が行われている横浜市の青葉区では、2人乗りEVの実証実験も行われた。利用者からは買い物など移動手段利便性だけでなく、形状の珍しさから声をかけてきた歩行者と「クルマに乗ったまま」コミュニケーションが楽しめたこと、などの評価が聞かれたという。実証実験で使われた車種が「窓なし」のものだったからだが、これまでの「クルマ」とは違った使われ方である。


 規制緩和が進んで小型車の普及が進めば、交通形態や街づくりも変化する。高齢・人口減少の日本にあって、超小型モビリティは都市再構築の中心的な位置づけになる可能性がある。

(中西 啓)

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