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2013/7/16

フルハイビジョン

概要

 フルハイビジョン(FHD,フルHD)とは、ハイビジョンの最高解像度規格を完全に表現できるテレビなどの映像機器のこと。ハイビジョンを完全に表現できないハイビジョン機器もあるため区別されている。


 ハイビジョンの最高解像度規格は横1920ピクセル×縦1080ピクセル。これをすべて表現できるテレビなどの映像機材を「フルハイビジョン」と呼ぶ。例えばHDV規格のビデオカメラは、地上デジタル放送の規格1440×1080にあわせてつくられているので、フルハイビジョンではない。こうした機器と区別するために「フルハイビジョン」という言葉が用いられている。今は多くのフルハイビジョン対応の映像機器が普及しており、発売されているデジタルハイビジョンテレビのほとんどがフルハイビジョン仕様となっている。


歴史


 ハイビジョン機器の代表格・ハイビジョンテレビの普及はハイビジョン放送開始が発端となっている。NHKが1991年に試験放送を始めたときは、家庭用ハイビジョンテレビが350~450万円と高価だった。しかし、1992年に100万円を切るモデルが発売されると次第にハイビジョンテレビが普及するようになる。さらに2000年12月のBSデジタル放送開始、2003年12月の地上デジタル放送開始などで、「ハイビジョン放送のデジタル化」が進む。これに沿う形でデジタルハイビジョンテレビが登場。液晶テレビ・プラズマテレビのような「薄型テレビ」が発売され、あとはフルハイビジョンに対応したテレビの登場が待たれることとなる。


 そうしたなか、液晶パネルの製造に定評があるシャープが、2004年にフルハイビジョンの液晶テレビを発売。これを追いかける形で他社も発売し、低価格でもフルハイビジョンで視聴できる液晶テレビが市場に浸透する。ハイビジョンを「フルスペック」で堪能できる「フルハイビジョン」は、消費者=視聴者に対して遡及しやすいキーワードとして定着。その後、フルハイビジョンのプラズマテレビも登場し、薄型テレビが爆発的に普及するようになる。

薄型テレビの国内出荷実績(出典:JEITA)
薄型テレビの国内出荷実績(出典:JEITA)

 このようにフルハイビジョンを謳ったデジタルテレビの登場が後押しし、出荷台数も2010年11月に約396万台、2010年12月に約387万台を記録するなど、順調に推移した薄型テレビ需要。しかしこの地上デジタル放送の移行に伴う需要が落ち着くと、販売台数が落ち込み、国内の家電メーカーが低迷する要因となってしまう。


今後の展開


 デジタルテレビの出荷減少に歯止めをかけるための起爆剤として期待されているのが4Kテレビだ。フルハイビジョンの画素数(横1920×縦1080)の4倍となる画素数(横3840×縦2160)をもつ。さらにNHKがフルハイビジョンの16倍の画素数(横7680×縦4320)をもつ8Kテレビの試作品を開発するなど、次世代の放送規格を見据えた展開が進められている。


 テレビをはじめ、デジタル機器の標準規格となった「フルハイビジョン」。その先に向けた放送業界・家電業界の挑戦は進んでいる。

(山下雄太郎)

「フルハイビジョン」が出てきた記事

デジタルサイネージも4Kの時代へ(2013/7/1)

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