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2013/7/8

公職選挙法

成立の経緯と歴史

 公職選挙法とは、国会議員や地方公共団体議員などを選ぶための「公職選挙」の投票、立候補、制度、選挙運動などに関して定めている法律のこと。かつては「衆議院」「参議院」「地方公共団体」における選挙のルールを定めた法律が別々に存在したが、1950年にすべて含む新法律として制定された。制定されて以降、100回以上にわたって改正されている。


 選挙を行う際は「選挙管理委員会」が事務を管理する。選挙管理委員会は知事や市町村長の管理下にあるほかの一般的な事務業務とは独立した行政機関として存在することで、公正を保っている。衆議院比例代表、参議院比例代表、最高裁判所裁判官国民審査は「中央選挙管理会」。小選挙区や知事選は「都道府県選挙管理委員会」。市町村選、市町村議会議員選は「市町村選挙管理委員会」が実際の事務を行う。


 同法には選挙権・被選挙権に関する決まり、立候補の届け出・種類、また投票の際の秘密を守るための開票方法や他事記載(誰が投票したかわかるように投票用紙に候補者名以外を書くこと)の禁止が定められている。他にも、投票の方法、期日前投票、不在者投票、体が不自由な人のための郵便による投票など「公正な選挙」が行われるための規則が決められている。


 また同法で特に細かく決められているのが、特定の候補への投票を促すいわゆる「選挙運動」についてだ。配布するポスターの枚数、選挙カーに乗ることができる人数、時間帯、選挙運動の時期、ハガキ、新聞広告、政見放送などが、小選挙区、比例、地方公共団体など選挙ごとに細かく決められており、特に候補者の「資金力」による差がつかないように極力配慮されている。


 こうした選挙運動になどに関する規定などを破った場合には、選挙無効や被選挙資格の停止などが課される。規定を破ったが本人でなくとも本人の一定の関係にある親族・秘書などが規定を破った際にも、候補者に同様の責任が負わされる「連座制」という決まりもある。民主主義の根幹をなす「選挙」の腐敗をなくすために、こうした厳しい決まりが存在している。


ネットを使った選挙運動


 2013年4月19日に可決された改正公職選挙法により、以降の国政選挙に関してインターネットを使った選挙運動が解禁された。今回の改正は、有権者や候補者、政党などのインターネットを経由した選挙運動の部分的な解禁を行ったもので、これまで文書図画として厳しく規制されていた「WEBサイト」が全面解禁された。


 候補者や政党、有権者が選挙活動をできるWEBサイトは一般的なHPやブログ、Twitter、Facebook、mixiなどといったSNSはもちろん、ほかニコニコ動画やYouTubeなどの「動画共有サービス」を行うサイトでの選挙運動が可能になった。ページ上にメールアドレスなどの連絡手段の表示義務があるほか「特定の期間中しかできない」「未成年者は選挙運動ができない」など、通常の選挙運動と同様の規制も課されている。


 一方で電子メールによる選挙運動は候補者・政党には解禁されたものの、有権者には解放されなかった。この電子メールはSMTP方式あるいは電話番号方式を使ったものと決められている。

2013年4月の改正による選挙運動可否
部分的な解禁であり、全面解禁ではないため要注意

 また、インターネットによる選挙運動を見越した禁止事項も定められている。「HPや電子メールなどを印刷して配布すること」「虚偽情報の公開、氏名などを偽った通信」「サイトの改ざん行為」などは、公職選挙法に抵触して処罰される可能性が高い。


 今回は行われた公職選挙法の改正は、あくまで選挙運動の部分解禁であって、選挙の投票行為などの解禁はまだ遠い。例えば、最近問題になっている投票率の低下などは「ネット投票」の導入により手軽に投票できるシステムを整えることである程度解消が見込まれるとも言われている。公正な制度を保ちつつ、課題を解消するためにも、今後のさらなる検討と改正が望まれる。

(井上宇紀)

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特集 ネット選挙運動解禁 どうなる参院選

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