特集などに出てきた重要語句を分かりやすく解説
国民ID
意味
国民IDとは、自国民であることを示す番号や記号のこと。2013年に審議されている共通番号法案(マイナンバー法案)は、国民IDとは別のものだ。現在の日本では、「国民であることを示すもの」となっているのは戸籍だけである。
ただ、戸籍は親族とのつながりを示すための書類であって、身元の証明をするには不十分だ。国全体で身元証明になりうるICカードや、紐づけを行う番号を作るとなると、マイナンバーの仕組みでは収まらない。システムの構築・連携の以前に戸籍法や国籍法の改正の手続きを経なければならない。
国民IDの枠組み
省庁間、自治体間等を結んでネットワークを利用することが前提の国民IDには、マイナンバーを含めた運用の枠組みが必要だ。「国民ID制度」がそれに当たるものの、全てを行政で管理するとなると、大変なコストがかかってしまう。
米国では、SSN(社会保障番号)だけでなく、民間で利用されているIDを利用する「トラストフレームワーク」という枠組みの構築が進められている。すでにGoogleなどで取得している民間企業のIDで、電子政府にアクセスできるようにする国民ID制度だ。
これを利用すれば、セキュリティレベルに合わせた行政サービスの提供も可能になる。サインだけで済む宅配便から、パスポートチェックがたびたび必要になる出入国審査まで、身元確認の度合いは時と場合によって異なる。これと同じように、公共施設の利用などはGoogleのID、税金の申告は銀行のIDなど、レベル分けをしてアクセスすることができる。普段からログインしているIDを利用できるので、ユーザにとってはメリットが大きい。トラストフレームワークについては、ISO/ITU-Tで標準化作業が進められている。
マイナンバーの民間利用
日本のマイナンバーは、民間利用にあたって法律施行後3年を目安に検討が行われることになっている。民間利用にはプライバシーを懸念する声もあるが、「銀行や保険会社などの金融機関は業法(特定の業種に対する法律)に縛られています。マイナンバーを利用できるようになれば、本人確認のために多数の顧客へ送付していた郵便物がなくなるなどのコストメリットがあります」(三菱総合研究所の中村秀治氏)。データをもとに、保険などで新商品の開発も可能になるという。ただ、民間企業が声を大にして「共通番号を使えばコストメリットがある」と言っても、「コストメリットがあるのはその業界だけではないか」という反論も出てくるため、なかなか言いにくい事情もある。
国民IDの運用は、各国で模索されている。英国では、すでにスタートしていたIDカードと国民ID登録簿の関連法が、保守党に政権交代した2010年12月に、プライバシーとコスト面を理由に廃止になった。マイナンバーのシステム構築とともに、国民IDとその枠組みをどうすべきか。人口減少で確実に人手が減っていく日本でも、いずれは決めなければならない課題である。
「国民ID」が出てきた記事
DiTT(2013/4/22)
データサイエンティスト(2013/4/15)
言文一致体(2013/3/21)
化学電池(2013/3/14)
BYOD(2013/2/25)
タブレット(2013/2/18)
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