キーワード解説

特集などに出てきた重要語句を分かりやすく解説

2013/4/15

データサイエンティスト

概要

 「データサイエンティスト」とは、ビッグデータの分析結果をもとに、顧客獲得や在庫削減など、企業の課題解決のための方策を提案する職業。製品の品質管理から、商品開発のためのマーケティングまで、IT業界に限らず、農業・製造・行政など、様々な分野で求められる職業と言える。


背景


 この職業が注目されるようになったのは、SNSの浸透によるユーザ情報や、POSデータによる商品管理など、IT技術の進展に伴って、企業が取得できるデータの質と量が爆発的に増えてきたことによる。膨大なデータ、いわゆる「ビッグデータ」の効果的な活用を求められるようになったことがデータサイエンティストのニーズを生んだ。

データサイエンティスト関連の講演も増えている
(写真は2012年の情報処理学会セミナーの様子)
データサイエンティスト関連の講演も増えている (写真は2012年の情報処理学会セミナーの様子)

 データサイエンティストには、プログラミングなどのITスキルを始め、統計学など、情報処理全般の知識のほか、データ処理方法の開発も求められる。コンピュータのリソースを節約しつつ、素早く計算できるようなアルゴリズムの構築は、ビッグデータの処理には欠かせない技術だからだ。


 また、単に数字を突き合わせるだけでなく、「どの数字を組み合わせて分析すれば売上の傾向と対策を練ることができるか」という業務知識を土台にした発想力の有無も問われてくる。


 こうして見ると、スペシャリストかつオールマイティな職業に見えるが、実際の人材育成は遅れている。日本には統計科学を専攻するプログラムが大学に設置されていない。このためデータ分析の現場では常に人が足りていないという、ニーズにこたえられていないのが現状である。


理数重視への回帰


 データは増え続けるものの、分析できる人材育成が追い付いていない。永田町もこうした状況に危機感を募らせているようだ。


 2013年3月、自民党内に設置された教育再生実行本部から「教育再生提言案」が安倍首相へ提出された、と報じられた。提言の中には「文系の大学入試でも理数科目を必修とする」ことも盛り込まれているという。文理を問わず、数学的な思考力を持つ人材の必要性が、国全体として高まってきたと言える。


 また、この提言には「TOEFLの点数を大学受験の条件とする」ことなども盛り込まれているという。大学入学者の選別を厳しくする1例とも言えるが、人口減少が確実な日本では、国民全体の学力の底上げに取り組むことも必要になってきている。

(中西 啓)

「データサイエンティスト」が出てきた記事

ビッグデータに必須!“数学脳”の鍛え方(2013/4/11)

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