キーワード解説

特集などに出てきた重要語句を分かりやすく解説

2013/1/21

EPUB

概要

 EPUB(イーパブ)とはIDPF(国際電子出版フォーラム)で策定されている電子書籍フォーマットだ。フォーマットの拡張子は「.epub」となり、グーグルのebookstore、ソニーのReaderで採用されたことから普及するようになった。


 EPUBは仕様書が全てWEB上で公開されており、どんな人でも電子書籍のコンテンツをつくることができる。また、様々なサイズのデバイスに合わせて最適なコンテンツ表示が可能。WEBコンテンツとの親和性が高いため、それに関連する技術を応用することができ、これまでのコンテンツ制作のノウハウも活かしやすいというメリットがある。加えて、メタデータをもつため、それに基づいた電子書籍の管理を行うことができる。

EPUBの仕様(出典:電子書籍交換フォーマット標準化会議「電子書籍交換フォーマット標準化プロジェクト調査報告書」2011年3月作成 同年5月公開)
EPUBの仕様(出典:電子書籍交換フォーマット標準化会議「電子書籍交換フォーマット標準化プロジェクト調査報告書」2011年3月作成 同年5月公開)

これまでの経緯


 これまでの電子書籍の普及、電子出版の活性化を妨げる要因として、電子書籍を販売するうえで基盤となる配信・閲覧のためのフォーマットが乱立するという問題があった。端末メーカーごとにフォーマットが異なるため、コンテンツを端末やプラットフォームごとに作成しなければならず、出版事業者などにとって大きな負担になっていた。


 そうした中、1990年後半になると電子書籍用フォーマットについて意見が交わされるようになり、マイクロソフトが標準規格「Open eBook」を提案する。マイクロソフトの意見に賛同した業界関係者はOpen eBook Forum」を2002年に発足。電子書籍用のフォーマットの標準規格について議論を深めていった。しかしマイクロソフトが2000年代初頭に撤退したため、活動は停滞を余儀なくされる。


 しかし2005年になり、IDPFに組織名称が変更されると、アドビシステムが積極的に関与。EPUBの前身となる電子書籍向けパッケージ「OCF1.0」が策定され、2007年9月にEPUB2.0が開発された。


今後の展開


 2010年11月に開催された国際標準化に関するフォーラム「ISO/IEC JTC1総会」によってEPUBの公的な標準化が検討されることが決定。2011年10月に最新の規格EPUB3.0が公式の規格となった。日本はこれまでIDPFでのEPUB3.0策定の際、重要ポジションとして引っ張っていくなど、大きな貢献をしてきたが、国際標準化作業を継続するための資金が枯渇。そのため日本電子出版協会(JEPA)が支援のための募金を国内企業にも呼び掛けている。

(山下雄太郎)

【関連カテゴリ】

トレンドその他