
特集などに出てきた重要語句を分かりやすく解説
青年就農給付金
概要
青年就農給付金とは農林水産省が新規就農対策の一環として2012年度から開始する給付金制度のこと。就農希望者や新規就農者に対して、農業技術や経営ノウハウの習得や研修に専念する支援を行うもので、毎年2万人の青年新規就農者の定着を目標に掲げている。給付対象としては「就農時の年齢が原則45歳未満」「農業経営者となることに強い意欲を有している」「独立就農または雇用就農を目指している」などの基準が設けられている。
この青年就農給付金は「準備型」と「経営開始型」の2つに分かれる。「準備型」は就農希望者が農業大学校などの農業経営者育成教育機関・先進農家・先進農業法人で研修を受ける際に、年間150万円を、最長2年間給付するというもの。また「経営開始型」は経営リスクを負っている新規就農者の経営が軌道に乗るまでの間を支援するというもの。独立・自営就農であることが条件で、年間150万円を最長5年間給付することになっている。
これまでの経緯
政府はこれまでも農業における雇用に対して補助金制度を設けてきた。農業法人に対する雇用事業として研修経費などを国が負担。その結果、雇用就農者が2007年には7万3000人だったのが、2008年には8万4000人と増加し、補助金による成果が如実に表れた形となった。その後も雇用就農者を伸ばす一助となり、政府は法人側に対する農の雇用事業として、2011年度第4次補正予算で23億円を確保。農業法人に対して年間最大120万円を助成していく方針を固めている。
給付停止条件と実施の現状
こうした制度に付随する形で新規就農対策の目玉として打ち出された青年就農給付金だが、政策を打ち出した農林水産省は「新規就農者の定着」を目的に、給付停止条件を設けている。「準備型」では経営開始計画を実行するための必要な作業を怠るなど、適切な就農を行っていないと市町村が判断した場合は給付停止となる。また「経営開始型」でも給付期間の1.5倍(最低2年間)の期間、独立就農または雇用就農しなかった場合は返還しなければならない。
政府のキモ入り政策として始まった同制度だが、当初政府が予定していた利用者約8200人を大幅に超える約1万5400人の応募があった。このため、農林水産省は高齢化の進む集落の希望者などを優先するよう、各自治体に指示。さらに都道府県では所定の要件を満たす希望者数をより詳細に把握するよう市町村に要請した。現在、給付を認める優先順位の基準の作成を行っている段階だ。
新規就農対策の「起爆剤」として期待される青年就農給付金。政府の一挙手一投足がどれほど新規就農者の増加に結び付くのか、その動向に注目が集まっている。
「青年就農給付金」が出てきた記事
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ディザスタリカバリ(2012/9/10)
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