特集などに出てきた重要語句を分かりやすく解説
ディザスタリカバリ
概要
ディザスタリカバリ(DR)とは、災害時に被害を最小限にするための予防措置、または被害を受けたシステムの回復措置のこと。外部メディアへのバックアップによるデータ保全や遠隔地へのデータの転送、さらにはデータセンターの復旧などが挙げられる。
「災害による障害は必ず起こるもの」とあらかじめ想定することで、素早く、効率良く復旧することができる対策を行っておく。それによって、システムが停止した時の利益損失を最小限に留めることを目的としている。
大企業がめざすDR
経済産業省では「事業継続計画策定ガイドライン
」の「ITサービス継続ガイドライン
」に、企業のIT環境におけるディザスタリカバリの具体策を策定している。
その具体策によると、例えば大企業においては各データセンターにバックアップを保管し、メインの通信回線でつないでおく以外にも、支店・営業所からもサブの通信回線で各データセンターにつないでおく。またデータセンター間をSAN間接続(ストレージ専用のネットワーク)で結び、データのリモートコピーを行っていく。このようにIT環境を「冗長化」し、二重、三重にもバックアップをとることでそれらを一括で管理する。さらにタイムリーな訓練などの実施により、災害時における耐障害性を向上させることを紹介している。
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| システムの冗長化による耐久性の向上 (出典:経済産業省 事業継続計画策定ガイドライン) |
現在、大企業ではネットワークの高速化により、複数箇所に情報を保存して同期化を行い、またWEBサービスを利用した業務を分散させることが進んでいる。
中小企業がめざすDR
このように企業において二重、三重のバックアップを行うためにはデータを保存する記録媒体や保管場所が必要となるが、中小企業の場合には費用を考えると、実施が困難である。そのためクラウドストレージサービスの利用などもディザスタリカバリの手段として考えられる。この場合、普段から情報漏洩に備えて暗号化とパスワード保護を怠らないことや、クラウドサービスの中止を想定して複数の保存先を考えておくことが大切だろう。
東日本大震災によって、データが消失した企業が多く見られる中、ディザスタリカバリを目的としたシステムの構築やバックアップの重要性が改めて見直されており、企業の規模やコストに見合った対策を講じることが必要不可欠となる。
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