キーワード解説

特集などに出てきた重要語句を分かりやすく解説

2012/6/28

有害情報

概要

 有害情報とは、違法情報ではない情報の内、麻薬や拳銃の譲渡などの「違法行為の請負・仲介に関する情報」、集団自殺を誘うような「公共良俗に反する情報」あるいはグロテスク・わいせつ・暴力など「青少年に有害となる情報」などを指す。現在は主にネットにおける情報が主文脈となることが多いが、書籍・テレビ番組・テレビゲームなどにおいて、上記に当てはまるものも該当する。


違法情報? 有害情報?


 一方で「違法情報」とは、情報そのものが違法となる情報のこと。例えば名誉毀損、著作権侵害、公然わいせつ物陳列などを指す。これらの情報は違法、つまり該当する法律が制定されており、取り締まることができる。しかし有害情報は、情報そのものに違法性がなく、規制をする場合必ず「表現の自由」との折衝が必要になってくる。


 そのため現在、有害情報に対応する法律は2009年4月1日施行された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(青少年インターネット環境整備法)」に限られている。青少年がインターネットを使用するにあたり保護者やプロバイダなどがフィルタリングを融通する義務を決めた法律だ。


 ほかの有害情報対策についてはプロバイダ等が契約時点で約款を結ぶなどの「自主規制」が主体となっている。ネット以外における有害情報については、長野県を除く各都道府県で定められている「青少年保護育成条例」と各業界団体による自主的な規制で対応している。

ネットにおける情報規制の主な動向
ネットにおける情報規制の主な動向

有害情報の取り扱い


 有害情報の取り扱いについては、携帯電話の普及以降様々な課題点が挙げられている。子どもがPCを使用する際は、リビングなど親の目につくところで使用される場合が多い。しかし携帯電話の場合、親の目が届かない状態でインターネットに触れる。


 このように携帯電話の所持により青少年の情報閲覧が保護者の制御下に全くおけず、結果として実際に未成年が犯罪に巻き込まれるケースも発生してきたことが「青少年インターネット環境整備法」の成立の背景にある。一方で、同法における「有害」の基準が曖昧だという指摘が、法律制定前から複数社の大手IT企業などによってされている。


 また原因の端末である携帯電話の所持に対しても規制する動きもある。2009年6月に石川県で小中学生への携帯電話所持規制の条例が可決された。また同年の1月にも文部科学省が学校への持ち込みを「原則禁止とすべきある」という通達 を出している。


 しかし極度な制限による「温室育ち」は、子どものITリテラシー育成を阻害する可能性もある。現在、携帯電話キャリアから提供されているフィルタリング機能は、段階に応じた解除なども可能になっているが、解除に合わせたITリテラシー教育も急務となってくるだろう。

(井上宇紀)

【関連カテゴリ】

法律対応・管理統制