IFRS(国際会計基準)の背景
―昨今話題のIFRSですが、そもそもどのような背景で生まれたものなのでしょうか。
平松氏 1970年代からすでに、会計基準を世界共通にしようとする動きはありました。その背景には、企業活動の国際化・グローバル化というものがあります。事業の海外進出は、まず製品を売買する「貿易」から始まり、次のステップでは現地に子会社を置いて現地で「生産」を行うようになる。そして金融市場の国際化、つまり海外で「資金調達*2」までされるようになりました。
しかし「貿易」「生産」「資金調達」と経済活動の国際化が進んだにもかかわらず、各国がそれぞれ異なる会計基準で処理を行っていたのでは、不都合が出てきます。これでは経済活動の阻害要因になってしまうということで、世界規模の問題に発展していったのです。