「安心・安全なインターネットコンテンツとは」:HH News & Reports:ハミングヘッズ

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公認会計士松澤大之
内部統制で変革すべき
は“個人の意識”
(動画あり)

相磯秀夫 インターネットコンテンツ審査監視機構(I-ROI) 代表理事に聞く「安心・安全なインターネットコンテンツとは」

インターネットコンテンツ審査監視機構代表理事
相磯 秀夫
「安心・安全なインターネットコンテンツとは」

 私たちが目にするインターネットコンテンツが有害であるか否か、どのように判断する必要があるのか、有限責任中間法人インターネットコンテンツ審査監視機構(I-ROI)の相磯秀夫代表理事に、法人設立の背景も含めてお話をうかがった。


設立の背景・意義

―I-ROIの設立背景、設立意義についてお聞かせください。

設立の背景について語る相磯氏
設立の背景について語る相磯氏
相磯氏 最近は社会のいたるところで、メディアが氾濫しています。私のいうメディアというのは、人間のコミュニケーションを可能にする媒体、あるいは手段などのことで、代表的にはマスメディアもそうです。そのメディアの発達が急速なために、社会が異常に大きく変化している、というのが最近の特徴だと思います。
 特に日本の場合は技術的なインフラストラクチャー(インフラ)が非常に進んでいます。インターネットはもちろんのこと、携帯電話の技術でも進んでいるのですが、それに対して、社会的なインフラの整備が非常に遅れていると言われ出しています。技術進歩や社会の変革に対応して、様々な問題が次々と発生しているにも関わらず、社会が対処しきれていません。

 新しい社会問題の代表的なものとして、青少年に対するインターネットを利用した違法行為が挙げられます。また、青少年に関する有害コンテンツがネット上であふれる世界になってしまっています。それに対して、やっと産官民でも社会問題としてそうしたインターネット上の違法行為・有害コンテンツの対策が騒がれ始めたということが、最近の傾向だと思います。I-ROI はこのような頻発する社会問題の一部を解決するための第三者機関として発足しました。

メディアの国際性


メディアの国際性について語る相磯氏
メディアの国際性について語る相磯氏
相磯氏 新しいメディアは、国などを問わずにオープンであり、グローバリゼーションのツールになっているため、非常に国際性が豊かです。そのような背景を考慮すると、新聞・雑誌といった従来のメディアが主であった時代に比べて、社会の対応もかなり変わってきています。それに対して政府や業界も、以前と違う対応が必要になったため、最近は真剣に取り組むようになってきました。

 ところが国際性を考えると、自らの問題に自ら対処するだけでは公平性の観点から好ましくない。そこで政府からも業界からも距離をおいた、第三者が行うのが望ましい、という意見を受けて設立されたのがI-ROI です。ですから、まず社会問題として真っ先に青少年へのコンテンツが問題として挙げられていますので、最初は青少年に対するインターネット上の有害コンテンツに対してどのように対応するか、ということに活動の重点を置くことになりました。
 それから「業界の健全性に役立つ」ことについても活動しています。業界を健全にすることで、社会の安心・安全にも貢献できるのではないかという思いがこの機関を設立した背景にあります。

取り組んでいる内容

―設立は、時代背景の流れから必然的で理にかなっているということですね。

相磯氏 健全なネット社会を構築し、それに伴った新しい文化を創造するという意味では、設立は必然だと思います。ところが現在、その様な側面から考えると体制の整備が非常に遅れています。つまり社会インフラの構築が非常に遅れていることに起因して、様々な新しい社会問題が持ち上がっています。

―今年の6月に設立されてからそんなに日は経っていませんが、今まで取り組まれてきた内容はどういったことでしょうか。

I-ROIの取り組みについて語る相磯氏
I-ROIの取り組みについて語る相磯氏
相磯氏 1つは組織づくりです。第三者機構を作ることは、たいへん重要な意味をもっていますから、組織づくりを今着々と進めているところです。
2つ目は、どのように有害コンテンツをレーティング(格付け)するか。表現を格付けするというと語弊がありますが、要するに評価指標をどう設定するかです。ここが非常に大変な作業になります。「評価基準」を作らなければ、運用できないからです。3つ目は、運用です。評価基準を作ったのち、それを基に運用します。速やかに運用段階に移行したいとは思っていますが、実際に手がけてみると、様々な問題点が生じてきて、予定より遅れているのが実情です。

―細部まで決める必要があるということですね。

相磯氏 はい。それとある程度、実証実験をやっていかなければからないところもあります。そのため、最初から本格的な運用は難しいと考えています。
 したがって、実験をしながら、徐々に本格的な運用へ移行したいと考えています。1つの分野についてでも対象になるサイトは、非常に範囲が広いわけです。例えばEメールもそうですが、言語系や映像、音響など、様々な分野があり検証範囲が非常に広く、すべてをカバーすることはできません。

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