2014年、そして未来の セキュリティはどうなる?

1972年東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了。NTT理事、東京大学国際・産学共同研究センター長などを経て現・東京電機大学未来科学部長。高速通信網、画像処理、ネットワークセキュリティなどの研究に取り組む。

インタビュー(1)

東京電機大学教授・安田 浩氏に聞く

2014年、そして未来のセキュリティはどうなる?

2014/1/27  1/3ページ
東京電機大学教授 安田 浩氏急速に普及するスマートフォン
今後は免許制が必要になるか

 情報のやり取りが急速に早くなっていくIT業界はその業態をめまぐるしく変化させていく。激変していくIT業界に対して2013年のセキュリティはどうだったのか、2014年はどうなっていくのかだろうか? 急速に普及しているスマートフォンそして、2014年のセキュリティに関わりそうなキーワードを絡めつつ、東京電機大学未来学部学長である安田浩教授に今後を占って頂いた。

スマートフォンの普及


―ここ数年、スマートフォンが急速に普及しました。

安田氏:私は、そもそもPCというシステムが中途半端だと思っています。それは、何らかの処理をしようと思ったとき、大きい処理をしようとすると結局スーパーコンピュータを借りる必要があります。逆に、もしスーパーコンピュータを借りるならば、そもそもこちらで処理をできるようにする必要はない。スマートフォンのような端末でスパコンをコントロールできれば十分になります。もちろん現在の通信環境のままでは使えませんから、無線の使い方を変化させなければならないでしょうが。


 一方でスマートフォンとスーパーコンピュータの組み合わせには欠点もあります。スマートフォンは、情報を引き出す作業は簡単ですが、情報を作り出すのは難しいです。状況に応じて使い分ける必要があるかもしれません。


―スマートフォンでは無線を利用しています。ところが現在、移動無線通信には通信容量制限が課されており、スーパーコンピュータを利用するのは難しい状況かと思われます。

安田氏:当然、現在のままでは無理でしょう。まずは、通信容量が大きい高周波の開発が必要です。しかし高周波は回折しにくく障害物に弱かったり、雨天による減衰があったりなど問題がありますので、基地局を多く作る必要もあるでしょう。基地局を大量に設置すれば高速の通信網を容量制限なしで使えるようになります。


―スマートフォンは大変便利である一方で、危険性もはらんでいると思いますが。

安田氏:現在のスマートフォンがセキュリティ上の問題を抱えているのは、単純に技術が未熟だからです。あと3年もたって技術が進歩してくれば現在起きている問題は、かなり解決するでしょう。


 例えば、国民一人一人が自家用車しか使えない場合、適性のない人間が運転すると事故を起こします。だから自家用車は適性を求める免許制度を課しています。その一方で、バスやタクシーのような交通手段が存在するので運転の適正がない人間でも、車を利用することができます。


 スマートフォンも同じで、リテラシー知識がないユーザのセキュリティは非常に危険な状態になります。クラウドを利用すれば、端末側ではデータを保持せず、処理もしません。セキュリティもクラウド側にまかせてしまいます。そうすれば公共交通機関で言うバスのようにセキュリティを担保できるでしょう。


 もちろん自家用車のように細にわたり、自分でネットワークやクラウドの先にあるスーパーコンピュータをコントロールしたいというユーザもいるでしょう。その場合は道路で自家用車を使うようにライセンスが必要になるでしょう。電話を普及させる際には業者にのみ電波を使用する権利を与えて、利用者はそれを借り受ける形を取っていました。スマートフォンも同じようにネットワークをコントロールしたいときは免許が必要になると思います。


―スマートフォンで利用がさらに活発となったSNSによる情報漏洩も危惧されます。

安田氏:SNSは情報漏洩が起こるかどうかは倫理の問題が大きいと思います。もちろん炎上なども技術は全く関係ありません。SNSは、新しい社会文化というべきで、文部科学省がITリテラシー教育という形で進めるべきでしょう。

>>ITリテラシーの重要性


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