インタビュー(2)
ハウステンボス社長・澤田秀雄氏に聞く
世界の中の日本 ハウステンボスの再建

2013/11/28  2/3ページ
ハウステンボス社長 澤田秀雄氏
LCCの次は「ローコストホテル」
この時代は絶対に来ます

環境に配慮した積極的な施策

―近年は太陽光発電など環境に配慮した積極的な取り組みが目立っています。

澤田氏:はい。すでにハウステンボスから北西2キロの場所に2万7000平方メートルの敷地に8400枚の太陽光パネル(メガソーラー)を建設しました。2013年8月10日から運転を開始しています。


 他にも場内に実験住宅「ハウステンボス・スマートハウス」をつくりました。これは東京大学生産技術研究所と共同で取り組んだもので、2013年のグッドデザイン賞ベスト100と特別賞を受賞しています。

2013年グッドデザイン賞ベスト100を受賞した
ハウステンボス・スマートハウス(提供:ハウステンボス)
2013年グッドデザイン賞ベスト100を受賞した ハウステンボス・スマートハウス(提供:ハウステンボス)

 この建物は冷暖房の効率を高める塗料を使っています。環境ベンチャー企業・エクセラ(東京)が開発したもので、建材が熱くならないという特長があります。また建物を循環する冷温水で空気を冷やすため、冷房費用が低料金で済み、体に負担のかからないものになっています。私も住んでみましたが、非常に快適です。このように、ハウステンボスでは省エネルギーに関する実験を進めています。

スマートホテルの取り組み

―ハウステンボスはITを活用して自然エネルギーを利用する「スマートホテル」を打ち出しています。これについて詳細を教えていただければと思います。

澤田氏:「スマートホテル」では、「スマートハウス」で実験した太陽光などの自然エネルギーを熱源に使うことで、ホテル運営で比重を占める光熱費を減らします。さらに客室の仕様を統一するなど、建設費を通常の半分程度に下げ、案内業務などにロボットを使うことを検討しています。


―ホテルの運営にロボットを活用されるわけですね。

澤田氏:はい。色々なロボットを活用することで、人件費・コストを下げます。このようにロボットも導入したスマートホテルを東大生産技術研究所やゼネコンの鹿島などと共同で進めていて、あと1年半で完成する予定です。


 私は、このスマートホテルを運びやすいコンテナ型にしたいと考えています。部屋ごとにコンテナ状に設計し、世界規模での輸送が可能な物流規格で統一すれば、ジャングルでも砂漠でも運ぶことができます。


 また廃材をリサイクルする技術を活用すれば、ホテルを世界中どこでも、安くつくることができます。現状電気と水がないところにホテルをつくることはできません。電気がなければ電線を引かなければならず、ホテルを運営するコストに見合わない――しかしこのスマートホテル=ローコストホテルならば、その状況を変えることができるはずです。


 私は「ローコストエアライン(LCC)の時代が来る」と17年前に話しスカイマークエアラインズを設立しました。今度はローコストホテルの時代が必ず来ます。ホテルの宿泊費も、今は2万~3万円ですが、数千円程度の時代が来ると睨んでいます。


―ハウステンボスが最先端の技術を取り入れることは、エネルギー問題を解決していくうえで大きな意味があるのではないでしょうか?

澤田氏:はい。我々はエネルギー問題だけでなく教育問題、医療に関する問題など多くの問題に取り組んでいこうと考えています。


 一般的にこうした問題を解決するためのアイデアなど研究所が実験する場合、実用する場所がないというケースが目立ちます。しかし、ハウステンボスは私有地なので広大な敷地で実用ができます。


 研究所で実験することと、実際の運用は違います。そのためベンチャー企業から、開発したものを実際に試してほしいという声が後を絶ちません。ハウステンボスで実際に使って機能を修正し、成果がでたものから順次商品化し、アウトソーシングしていく予定です。

>>澤田氏が考える日本の魅力とは?

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