市役所がFacebookに?~“面白い”を共有する~ 樋渡啓祐 武雄市市長
2011/10/20  3/3ページ
選挙に落ちたら料理店を出すつもりだったという樋渡氏。
選挙に落ちたら料理店を出すつもりだったという樋渡氏。

「わくわく感」とか「どきどき感」を共有したい

―Facebookへの移行から、ソーシャルビジネス化、iクラウドの移行。とても独創的で面白いと思いますが、樋渡市長が、市長になろうと思われた理由や経緯はどういったところにあるのでしょうか?

樋渡氏:高校2年生の時に記念講演会があって、隣町の町長さんが来たんですよ。当時60歳くらいの方でしたが、車いすマラソンとか棚田ウォーキングとか、いろいろ面白いことを試みていたんです。それで「首長ってこんなに面白いことをするんだ」って感じたのがきっかけです。それが、総務省官僚などを経験して、市長として担がれて、4半世紀位は人生が狂いましたね。選挙に落ちたら、料理関係の仕事をするつもりでしたし。


―料理ですか?


樋渡氏:妻にも政治家としては大したことはないけれど、料理の才能の方があるとほめられます(笑)。だから僕は市長としての才能はたいしたことがなくて、大きな方針を決めているだけなんです。大きな方針を、1回決めたら、あとはすべて職員にまかせています。公務員はミッションを与えられるとうまくこなしますから、そうした方が効率も良い。僕も元公務員ですから、彼らの性格はよく把握しています。


 僕が仕事の細かいところまで口出しをしない方が、職員ものびのびと仕事ができて、かえって良いんですよ。僕が来るとみんな顔が引きつるくらいです(笑)。他の記者さんはあきれて「面白いですね」って言っていましたよ。面白いのが一番です。


 面白いと注目を浴びるし、注目を浴びるようになるといろいろな人の目が入ってくる。いろいろな人の目が入ってくるから、こうした方が良いということも言ってもらえる。何かを変化させるということを僕が言ってもなかなか聞いてもらえませんが、外からの意見が入ってくれば変えやすいです。先ほども別のメディアの記者さんから「Facebookのページにアクセス数を入れた方が良い」と言われたので、すぐにでも入れるつもりです。


―11月のサービス展開以降、将来に向けて何かこうしたいという将来像・理想像はありますか?


樋渡氏:将来像や理想とかは、先ほどお話した通りです。あとはひらめきですね。私はiMacが大好きなんですけども、その時点で良いと思うツールなどを始めて使ったときの「わくわく感」とか「どきどき感」ってありますよね。そういう感覚を市民や職員と共有していけたらと思っています。

(井上宇紀)

注釈

*:google+
Googleが行っているソーシャルネットワークサービスのこと。

樋渡啓祐氏

【樋渡啓祐氏 プロフィール】ひわたし けいすけ
1993年東京大学経済学部卒業。同年、総務庁人事局(現総務省)入庁。
1994年総務庁長官官房総務課。1996年沖縄開発庁振興局調整係長。
1997年内閣官房(中央省庁再編基本法準備室)主査(外務省等担当)。
1998年内閣中央省庁等改革推進本部事務局主査(総括班)。
2000年内閣府(沖縄新法準備室)参事官補佐。
2002年総務省大臣官房管理室(公益法人改革担当)参事官補佐。
2003年高槻市市長公室長。2005年 総務省大臣官房秘書課課長補佐。
2006年武雄市長(1期目)。2007年 関西大学客員教授。 2010年武雄市長(2期目)。
2011年Facebook学会会長

著書に『「力強い」地方づくりのための、あえて「力弱い」戦略論』(ベネッセコーポレーション)『首長パンチ 最年少市長GABBA奮戦記』(講談社)。

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