―なるほど。樋渡市長は、ブログで今回のFacebookへの移行を「一里塚」とおっしゃっていますが、これからはどのようなことをするつもりなのでしょうか?
樋渡氏:Facebookを使ったソーシャルネットワーク“ビジネス”で、アマゾンと楽天よりもっと良いサービスを提供する予定です。武雄市のページに来て頂ければ、ワンクリックで旅館の予約や地元の名産品の購入ができたりするようなサービスです。
ソーシャルネットワークサービスによる情報と情報の介在はモノが残りません。しかしモノとモノの交流は、実物が残るので印象も強いんですよね。もちろん地域の商品を購入していただくことで、地域経済の向上にもつながります。3年ほど経ったらFacebookでビジネスをしているようなロールモデルを作ります。それが僕らの次の仕事です。それを見てほかの自治体が真似をしてくれれば、既存のネット販売サイトなどと本格的なサービス競争になるでしょう。2011年の11月にはこのソーシャルネットワークビジネスの本格的なサービスを走らせる予定です。
―11月ですか? 8月にFacebookのページができたばかりなのに11月にもうサービス開始とはずいぶんと早いですね。
樋渡氏:こういうことは、間があいたら忘れられますから。話題になっているうちに続けないと。そもそも1年後、2年後にFacebookがあるかどうかだってわからない。だから、積み重ねた雪だるまが溶ける前に、次の雪を積み重ねていかないと。注目が集まっているうちに、次の行動を起こして積み重ねていく……今はスピードが大事なんです。
―Facebookはいわゆるクラウドサービスの一種ですが、総務省も全国の自治体に向けてクラウド化を進めています。連携などはお考えですか?
樋渡氏:僕は、Apple社が提供している「iクラウド」をいつか使えたらと思っています。ある首長に言ったらキョトンとしていましたけれど。「iクラウド」に乗った方が“カッコイイ”ですから、注目も集めることができます。だから総務省のクラウドに乗る予定はありません。国でインフラを提供するとなると、どうしても大規模な公共事業となるのですが、残念ながらIT関連については現状ではほとんどが失敗しています。霞が関WANとかありましたが、結局ITゼネコンばかりが利益を得ただけじゃないですか。僕は「iクラウド」でいければと考えています。(編注:総務省側もITゼネコンの寡占状態を現状での問題点として提起している)
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| iクラウドを使いたいと話す樋渡市長に、秘書の方が「本当に移行したらニュースどころじゃないですよ…」とぼそり。 |
本当のところは、クラウドサービスとかそういうことは関係なく、ただ「現在あるもので一番いいものを使う」ということしか考えていません。しかもコストが安ければさらに良い。Facebookはもちろんタダ、iクラウドも全部タダですし、使い勝手も良いですよね。それにFacebookに引き続き、iクラウドに自治体が移行したら、やはりカッコイイですし、カッコイイからインパクトもあり、宣伝効果も高いですから。
もちろん個人情報はクラウド側ではなく、役所側においておきます。ひとことに行政情報と言ってもいろいろあって、役所側で保持しておきたい個人情報は基本テキストデータですから、容量としてもそこまで大きくないんです。ほかの、例えば「事業計画」とか「イベントなどの映像」なんていうのは、漏れても問題のないようなものですからiクラウドに置いておけばよい。公開しても問題のないデータには映像や写真など容量が大きいものが多いので、iクラウドに保存するのはなおさら効率が良いですね。

