高橋名人 携帯ゲーム、これからどうなる?
~高橋名人が描くネットワークと携帯ゲーム~
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2011/8/25  2/3ページ

ダウンロードにはなかなかお金を払わない

―携帯ゲーム機も歴史を重ねていますが、名人の印象に残った携帯ゲーム機を伺いたいと思います。

名人:あまり売れませんでしたがソニー・コンピュータエンタテインメントの「PSP go」ですね。UMDでのプログラム供給(ゲームの販売)など全く考えないで、ゲームを含めたコンテンツは全てダウンロードのみでしたから。


 ただ、この販売方法が日本で難しいのは、同じゲームをダウンロードするのと、店頭販売しているパッケージで比べた場合、店頭販売で買う方が多いんですね。そういう人に理由を聞いたことがあるのですが、「パッケージを持っていたい」という安心感を求めているようです。音楽の場合は逆で、CDで買うよりもダウンロードする方が多いんですね。


 今年の春くらいに行ったアンケートで驚きました。インターネットなどからコンテンツをダウンロードする金額の最高金額の平均が150円、それ以外はフリーソフトで済ませてお金を払わない。こうした人が80%以上だったんです。ゲームに対しては、お金を払ってダウンロードして遊ぶ、ということがまだ根付いていないんです。


「ダウンロードにお金を払う人はまだ少ない」
「ダウンロードにお金を払う人はまだ少ない」

―音楽以外、ダウンロードするものに対して課金するシステムには、いまだになじみがありませんね。

名人:去年あたりからTwitterを使うためにスマートフォンを購入する人が増えているみたいですが、Twitterのアプリはダウンロードしていないようなんです。ガラケー(日本独自の従来の携帯電話)から、かなりお金をかけて買い替えているのに、数百円程度のアプリはダウンロードしていないのですから、不思議です(笑)。やはりソフトをダウンロードする、という行為は浸透していませんね。


 今よりももう少しだけ、「ダウロードコンテンツにお金を出してもいい」という人が増えないと、将来ゲーム業界も厳しいのではないかと思います。

子供とゲーム

―なるほど。ところで高橋名人はネットワークにつながる携帯ゲーム機と、子供向けのセキュリティついてはどう思われますか?

名人:課金システムを使ったゲームは別ですが、フリーのアプリケーションで子供を遊ばせる分には問題ないでしょう。


 アダルトサイトなどへの接続は、ブラウザの設定をきちんとしているかどうかの問題です。こうしたサイトを含め、子供を持つ親御さんやゲームの作り手がみんなでサイトを閲覧して、サイトごとにどの年齢まで許容できるかアンケートチェックをする、という仕組みがあればいいな、と考えています。


 ただ、何でもかんでも「ダメ」というのも少し堅苦しい気がします。「裸が出ているから」という理由で、短絡的に水着姿をNGにしてしまうのはどうでしょう。サイト全体として見たときに判断すればいいことだと思います。


―高橋名人の名セリフ、「ゲームは1日1時間」という時代からずいぶん変わりました。

名人:あの頃の「1日1時間」というのは意味があって、単に「ゲームは1時間だけやればいい」ということではないんです。


 当時ゲームをするのは子供たち。基礎体力をつけなきゃいけない時期なのですが、テレビゲームは楽しいものなので、そればっかりになってしまうんですよ。だから、「外へ行って走れ」とか「木登りして握力つけろ」という様々な遊びの中のひとつのゲームは「1時間にしておけ」ということなんです。


 気づいたら言葉だけが独り歩きしてしまったんですね。…まあ、子供に言っても分からないですよ(笑)。目の前にぶら下がっているおいしい食べ物を取り上げられるようなものですからね。

>>ゲーム本来の楽しみ方は?

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