モバイルインターネットのこれから
~iモードからスマートフォンへ~
夏野剛 慶応大学特別招聘教授
このエントリーをはてなブックマークに追加
2011/3/24  1/3ページ

1999年、日本で「iモード」がサービスを開始して以来、携帯電話に代表されるモバイルでのインターネット利用により、生活スタイルそのものが大きく変わり、そして飛躍的に便利になった。そして今、スマートフォンの世界的なヒットで、携帯電話でインターネットを利用することが当たり前になった。iモードを立ち上げ、携帯電話でのインターネット利用を浸透させてきた元NTT ドコモの執行役員で慶応義塾大学政策・メディア研究科特別招聘教授の夏野剛氏に、携帯電話、そしてモバイルインターネットのこれからについてお話を伺った。

携帯電話で世の中を楽しく

―夏野さんはiモードの立ち上げに参画されるなど、モバイルインターネットの普及に尽力されました。携帯電話でのインターネット利用で社会を変えていくことを当初どのように想定していたのでしょうか。 

慶応義塾大学 政策・メディア研究科 夏野剛特別招聘教授
慶応義塾大学 政策・メディア研究科 夏野剛特別招聘教授

夏野氏:そもそもビジョンは簡単でした。携帯電話を使って、世の中をもっと楽しめるようにしようと考えたことがきっかけです。そこで「インターネット」を使おうと思い立ったわけです。「携帯電話ですべてのことが一つでおさまるようにしよう」とイメージして、実行しました。おサイフケータイもその延長線上でした。


―確かに携帯電話で「おサイフケータイ」などのサービスが使えるようになって、非常に便利になりましたよね。


夏野氏:単純に、世の中の仕組みを自分で演出できたらいいと思っていました。それがたまたまできたわけです。実際、私自身、財布を持たない生活をしています。東京にいるのならば、携帯電話一つでほとんど事欠きませんからね。携帯電話での決済がほぼ全てのコンビニで使えるようになりましたし、東京のタクシーでは7割くらい使えるようになっています。もちろん電車にも乗ることができる。今では相当、利便性が高まっているのではないでしょうか。


インターネットを使って何をすべきか

―インターネット、そして携帯電話によるインターネットの普及により、企業の広告に対する投資が、従来からの主要メディアである新聞・雑誌・放送などから、インターネットへと移行していますよね。

夏野氏:特に新聞、雑誌といった旧来からのメディアの方を中心に「インターネット対新聞」、「インターネット対テレビ」という軸で頻繁に議論されています。しかし実際には、インターネットは単なるツールなのです。インターネットというメディアは存在せず、「インターネット上で新しい情報の配信をしている人がいる」ということなのです。


 そもそも新聞、雑誌、放送といった旧来からのメディアの方々は果たしてインターネットを完璧に利用しているのでしょうか。インターネットは、旧来からのメディアの方々も使えるツールであって、「対立するもの」ではありません。インターネットを使って、自分たちの媒体の価値をどう増していくかを考えるべきなのです。


 そのため、もはやインターネットを使って、何ができるかを考えない人たちは衰退していきます。しかし、きちんと考えている人たちにとっては、インターネットは脅威ではないはずです。


 私は「インターネットが単なるツールである」ということは極めて重要なことだと考えています。

>>スマートフォンの台頭とは?


RPAツール・AIHH

【関連カテゴリ】

情報セキュリティトレンド