月島食道楽:BAR SODA

チリビーンズ(左:\600)、チキンジンジャーカレー(右:昼は\800、夜は\1000)、スペシャルハイボール(奥:\600)。
チキンジンジャーカレーは、昼に持ち帰りだと\700

第26回「BAR SODA」

オシャレさと地元感が両立するバー
2013/4/25

 ――店内に流れる、ザッというノイズがまれに混じるジャズに耳を傾けながら、ゆっくりとグラスを傾ける。月島のメインの喧騒から少し離れたここでは、静かな時間が流れている――。


 月島駅からもんじゃストリートを勝鬨方面に歩く。2番街と3番街の間にある横道を右に曲がって少し進むと、打ちっぱなしのコンクリートの外見の店に、シンボルのように立つサボテンが見えてくる。覗き込んで見ると、その中に広がるトタンや木材を使った異国感と、有機材の柔らかさが空気感を醸し出す店内。月島食道楽の第26回は、地元民がふらりと立ち寄る「BAR SODA」にお邪魔した。

サビが味を出しているトタンと、手書きのメニューがアットホーム感を演出   無機質なむき出しのコンクリートと、温かみのある古材を用いた内装が綺麗に融合
サビが味を出しているトタンと、手書きのメニューがアットホーム感を演出   無機質なむき出しのコンクリートと、温かみのある古材を用いた内装が綺麗に融合

 店内の内装を形作るのは、どれもある程度の時間を経た風合いの材質ばかり。聞いてみると、実際に1960~1970年代の中南米で使われていた木材などを輸入し、メキシカンに内装を整えているそうだ。壁にはトタンをわざわざ車で伸したものを使用しており、サビすらもアンティーク風の味わいを出している。


 内装に合わせてか、流れる音楽も「レコード」。店内が盛り上がっているときはソウルやラテン音楽、静かに飲んでいるときはジャズやボサノヴァなど、DJやバンド経験もある音楽好きのオーナーが雰囲気に合わせて音楽を変える。レコードならではの、不思議な深みのある音が店内に染みわたっていくのが、耳にも心地よい。


 月島のこの場所にオープンしたのは2011年9月。ただその前から銀座で「SODA」としてお店を開いており、合わせると6年ほどになる。2013年の1月からはランチも始めており、昼から味わうことができる「ジンジャーチキンカレー」がこれまた絶品。サッパリしながらも非常に濃厚な味わいで、スパイスがバッチリ効いているため食べごたえもある。「とろみを出すための小麦粉も水も使わず、野菜から出た水分と旨みで作っています。使用している油もインドカレーの半分ほどです」(オーナーの富岡毅さん)とタネ明かし。ライスの上に卵と特製ソースをかけた「TKGジンジャーチキンカレー」もあり、こちらは少し口当たりがまろやかにはなるが、卵とルーの相性も最高だ。


生しょうが入りドライモスコミュール(\800)。
刻みしょうがが、さわやかさを増す
生しょうが入りドライモスコミュール(\800)。刻みしょうがが、さわやかさを増す

 夜になると、オーナーが、西麻布にある会員制の超高級バーでも修行を積んだという豊富な経験から作る、実に本格的なアルコールを出してくれる。オススメは、銀座時代から大人気だったという「生しょうが入りドライモスコミュール」。果実酒をいろいろ試した挙句に辿りついたという「自家製しょうがウォッカ」をベースにしたモスコミュールは、口当たりが抜群で、驚くほどスイスイと飲めてしまう。


 ぱっと見にも、メニューを眺めてみても、ずいぶんとオシャレな感じだが、オーナーは非常に気さく。近隣の住民らが気軽に集れる場になっている。浅い時間には店の前を通りがかった子どもが軽くあいさつをし、真夜中には夜食と1杯の酒を求めてふらりと地元住民がやってくる…。住宅街に店を構えたのも「地元に溶け込んだ店を作りたい」という月島出身のオーナーらしい願望からのようだ。


 チャージ料金もなく、値段も全体的に抑えめ。もんじゃ焼きを“わいわい、がやがや”と食べた後に、もう1杯しっとりと飲みたくなったら、ぜひとも気軽にご利用あれ。

(井上宇紀)
BAR SODA

BAR SODA
住所:東京都中央区月島1-16-8 GRID 1F
電話番号:03-5534-9236
営業時間:月~金11:30~14:30 18:00~翌2:00
       土11:30~14:30 17:00~翌2:00
       日17:00~翌2:00
定休日:年中無休