月島食道楽:畳屋八角

5000円で「おこのみ」を頼むと出る料理の一例。伊勢海老のお吸い物。松輪の生さばの刺身など、素材のよさをふんだんに生かした料理が並ぶ

第20回「畳屋八角」

豊富な焼酎と「確かな目と舌」が選んだ肴が食べられる店
2012/10/22

 月島でもんじゃ以外のお店を紹介する「月島食道楽」。今回は1000種類を超える焼酎と、素材を生かした最高の肴が食べられる「畳屋八角」を取り上げる。


 居酒屋「畳屋八角」は、月島西仲通り商店街の三番街に入る手前で左に曲がった先にある。ともすると通り過ぎてしまうほど、月島の古い町並みに同化している。それもそのはず、趣き深い家屋は、80年も前に店の主人である増田幸夫さんの先々代が畳屋だったころに建てたもの。下町情緒残る月島とともに歴史を刻んできたのだ。しっくいで作られた壁は、夏に涼しく、冬は暖かい。「当時としては最先端の建築方式だったはず」と主人は話す。


 店の中に入ると、無数の焼酎で埋め尽くされた壁が目に飛び込んできた。酒好きならば胸躍るに違いない光景。そんな無数にあるお酒の中から主人が「オススメ」と言って、出してきたのが店名「畳屋八角」がついた焼酎だ。「オリジナルの焼酎を店に出したいと思い試行錯誤していたところ、うちの店を気に入ってくれた酒蔵さんが創ってくれた。お客さんに出したら『これはうまい』と好評だったので出すことにした」とのこと。非常に飲みやすい口当たりで、すいすい盃が進んでしまう。

畳屋八角の名がついた焼酎。くせのない味でつい酒がまわってしまうことも
畳屋八角の名がついた焼酎。くせのない味でつい酒がまわってしまうことも

 もう1つ、特筆すべきは酒の肴。「おこのみで」と頼むと、その日出せる最高の素材を酒にぴったりな料理に仕上げてくれる。例えば「伊勢海老のお吸い物」。1匹まるごと乗った伊勢海老は殻ごと食べられるほど柔らかい。そして、そのやわらかい海老の旨みがしっかりと染み出た吸い地は、一口含むだけで海老の香りが口いっぱいに広がる絶品。椀一杯で海老を十二分に堪能できる。


 関サバと並ぶ有名なサバブランド「松輪サバ」を使った生の刺身は「醤油だと香りが強くて、魚の味が楽しめないでしょ」という主人のこだわりから、なんと海水での味付け。魚自体の味に自信があるからこそできる調理方法だが、海の香りがサバの香りと調和し、素材の良さを最大限に引き出している。店で出すこうした食材は千葉の海を中心にとれたもの。産地まで主人自ら出向いて、目利きしたものだけを客へ出しているそうだ。


 「これからも自身の目利きを頼りに、お客さんがおいしいと思える旬な素材を出していきたい」と意気込む主人。 “旨い酒”と“相性ばっちりの旬素材”とくれば、行かない理由はない。

(山下雄太郎)

*:本記事は2012年10月22日の情報であり、現在は「HAKKAKU」としてリニューアルしています。

畳屋八角

畳屋八角
住所:東京都中央区月島3-9-3
電話番号:03-3531-1557
営業時間:18:30~23:00
定休日:土・日・祝