月島食道楽:まくら木

エゾシカ肉と野菜のしゃぶしゃぶ(\2000・1人前)。希少なエゾシカを堪能することができる

第16回「まくら木」

月島で珍しいエゾシカ肉の料理を堪能できる店
2012/5/28

 清澄通りにある月島図書館わきの小道を曲がると、何やらシカの骨のオブジェが特徴的な店が見えてくる。月島のもんじゃ焼き以外の店を紹介する月島食道楽。第16回は珍しいエゾシカ料理が食べられる店「まくら木」だ。

店頭でお目にかかれるシカのオブジェ
店頭でお目にかかれるシカのオブジェ

 店を構えて11年になるが、エゾシカ料理を客に振る舞うようになったのは4年前のこと。 新しい料理をはじめようと食材を探していたコックの原田大輝さんが、味の良さに比べて、世間の認知度が低いシカの肉に興味をもったことがきっかけだ。たまたま店を一緒に切り盛りしていた人の父親からマタギ(狩人)を紹介してもらう機会があり、「エゾシカ」の肉の調達ルートを確立するようになったという。


 看板料理はもちろんエゾシカ肉の料理。特に野菜とのしゃぶしゃぶは、熱を通す時間を最低限抑えて食べているため、エゾシカ肉のうまみが最大限引き立てられる。シカの肉というと、ラムやイノシシの肉のように若干くせのある味ではないかという印象をもちやすいが、実際に食してみると臭みはなく、むしろさっぱりした味だ。原田さんは「エゾシカ肉は脂身が少なく食べやすい肉。鉄分も豊富で栄養価も高い。ワインとの相性も抜群」と知られざるエゾシカの魅力を語る。

手軽にエゾシカの肉を味わえる「エゾシカレー」
手軽にエゾシカの肉を味わえる「エゾシカレー」

 ランチタイムでは「エゾシカレー」で手軽にエゾシカの肉を味わえる。カレーにしようと思ったのは「カレーは庶民的な料理で、エゾシカを食べたことのない人が最初に食べるのに最適だと考えたから」と原田さん。また、生のエゾシカ肉の表面を火であぶった「エゾシカのたたき」も、簡単に火を通しただけで、凝縮された肉のうまみを味わう事ができ、手軽に楽しめる料理として人気だ。


 エゾシカ肉を出すというだけでも珍しいが、さらに珍しいのが冒頭でも紹介した通り、マタギから直接調達しているということだ。エゾシカはさばき方が難しく、作り手によって味が変わる。しかも、30分程で解体しなければ味が落ちてしまうという。今ではネットで出回るエゾシカ肉が増えており、昔に比べれば消費者にとって調達しやすくはなっている。しかし、ネットで出回る肉は、一番“うまみ”のある首や背中の部位が除かれたものだったりと、エゾシカ肉の良さが十分に消費者に伝わっていないと原田さんは話す。


 「これからもエゾシカ肉をもっとお客さんにアピールし、研究して様々なレパートリーを増やせるようにしていきたい」と意気込む原田さん。「エゾシカ料理」が新しい月島名物になる日がくるかもしれない。

(山下雄太郎)
まくら木

まくら木
住所:東京都中央区月島4-3-17 1F
電話番号:03-3533-2227
営業時間:11:30~14:00 17:00~24:00
定休日:日、祝