特集 実地調査! 東京23区!
電波・通信速度を計測
全体を総括 つながりやすいのは?

2014/11/25  6/6ページ

NTTドコモ、au、ソフトバンクのスマートフォンをレンタルして東京23区の名所を歩き、それぞれの場所の電波の入り具合や通信速度を調べる今回の計測。第1回(中央・品川・大田・江東区)第2回(練馬・杉並・中野・新宿・渋谷区)第3回(目黒・世田谷・台東・墨田・葛飾区)第4回(荒川・足立・江戸川・千代田・北区)第5回(板橋・豊島・文京・港区)の計測結果から考察し、全体を総括する。

今回の計測結果を振り返る


 これまで、5回にわたって、東京23区の電波・通信速度の計測結果を掲載してきた。その結果「つながりやすい」「つながりにくい」場所を確認することができた。これまで掲載してした東京23区すべての計測結果を一覧表にしたので、ご覧いただきたい。

東京23区の全計測結果
場所 アンテナ 通信速度・上り 通信速度・下り
ドコモ au ソフトバンク  ドコモ au ソフトバンク  ドコモ au ソフトバンク 
千代田区 秋葉原・中央通前交差点 3~4 2~4 4 14.8 6.72 8.72 10.92 10.94 28.77
中央区 銀座4丁目交差点 1~2 4 3~4 4.64 15.36 8.56 3.76 21.28 26.50
港区 大江戸線六本木駅ホーム 2~3 2~3 4(3G) 4.56 5.36 1.12 13.94 5.87 0.11
新宿区 都庁展望台 3~4 2~4 4(3G) 11.75 13.52 1.20 17.47 25.40 1.68
文京区 東京ドーム前 4 2~3 4 4.56 13.84 4.96 13.94 15.41 0.11
台東区 浅草寺雷門 4 4 4 6.32 11.68 8.72 6.65 29.42 36.69
墨田区 東京スカイツリー 4 4 4 15.68 15.04 8.8 37.34 40.45 33.99
江東区 豊洲公園 1~3 2~4 1~4 3.52 11.52 6.64 6.22 12.93 17.83
品川区 しながわ水族館 4 1~2 4 7.60 4.96 8.72 28.59 16.59 42.52
目黒区 東大駒場キャンパス 4 3~4 4 12.32 10.16 8.80 33.22 18.40 49.00
大田区 羽田空港国内線ターミナル 4 3~4 4(3G) 10.80 1.84 1.52 17.58 28.39 3.02
世田谷区 多摩川河川敷 4 3~4 3~4 6.88 2.64 9.04 19.17 7.12 31.23
渋谷区 ハチ公前交差点 2~3 2~3 1~4 6.24 12.32 8.72 11.28 9.11 13.42
中野区 中野サンプラザ前 4 3~4 4 4.38 11.12 5.36 22.41 21.89 25.01
杉並区 高円寺純情商店街 3~4 3~4 4(3G) 5.12 8.96 1.04 12.32 11.86 13.77
豊島区 サンシャイン60展望台 2~4 3 4(3G) 11.36 9.21 0.72 12.37 24.98 0.15
北区 尾久車両センター前 2~3 4 1~4 5.6 14.32 8.56 16.81 23.82 24.74
荒川区 あらかわ遊園 2 3 4 3.6 7.44 8.88 14.56 24.03 0.11
板橋区 高島平団地 2~3 3 4 5.84 9.68 5.21 11.48 34.48 0.14
練馬区 光が丘公園 3~4 1~2 4 13.36 5.92 6.32 15.20 14.95 59.23
足立区 舎人公園 3 3 4 9.84 7.28 6.64 10.02 18.6 0.1
葛飾区 柴又帝釈天 2 3 4 4.8 14.32 6.8 12.64 23.53 0.14
江戸川区 葛西臨海公園 2 3 4 1.12 5.68 3.6 8.03 13.17 0.13

通信速度の単位はMbps

 この一覧表からもわかるように、一般的に言われている「混雑するところはつながりにくい」という結果が、今回の計測でも見られた。中央区銀座4丁目交差点、台東区浅草寺雷門前では、特定のキャリアで電波がつながりにくかった。渋谷区ハチ公前交差点に至っては、電波・通信速度の不安定さが印象に残った。


 また高所・低所も電波・通信速度が悪くなるという結果が見られた。新宿区都庁展望台、豊島区池袋サンシャイン60展望台、港区大江戸線六本木駅ホームの計測結果がそのことを示している。


 一方、全体的なつながりやすさが目立った地域もあった。中野区中野サンプラザ前や目黒区東大駒場キャンパスでは電波・通信状況ともに好調を維持していた。


 23区の中でも今回の計測でパフォーマンスの高低差が出たのはソフトバンク。品川区しながわ水族館、練馬区光が丘公園、世田谷区多摩川河川敷、千代田区秋葉原・中央通交差点前ではパフォーマンスが高かった。しかし杉並区高円寺純情商店街や足立区舎人公園、葛飾区柴又帝釈天などについては、パフォーマンスの低さが目立った。


 さらに、これまで測定したすべての区の計測結果を、東京23区の地図にそれぞれ落とし込んだ。その際、それぞれのキャリアのアンテナの本数、通信速度・上り、通信速度、下りそれぞれにポイントを付け、23区内におけるキャリアごとの「つながりやすさランキング」を出して、合わせて記載した。その結果から、様々なことに気付くことができる。

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[Touch!]地図上にある赤いポイントにマウスカーソルを合わせると計測結果が表示されます

吹き出しの見方
・各キャリアのつながりやすさが23区内で何位かを表示
・()内の数字は「左から、アンテナ、通信速度・上り、通信速度・下り」の順に記載

 例えばそれぞれのキャリアの全体1位を飾った地域は墨田区東京スカイツリー。目玉の新観光スポットのため、どのキャリアもつながりやすさを重視した通信整備を進めているという印象だ。逆に、文京区東京ドーム前は都心の割にどのキャリアも中位のつながりやすさになっているのが気になる。


 また江東区豊洲公園、江戸川区葛西臨海公園など海沿いについては、どのキャリアも順位が低いという結果が見られている。


 その他、キャリアによって得意とするエリアが違うのも一目瞭然だ。例えば北区尾久車両センター、中央区銀座4丁目交差点などはauのつながりやすさが秀逸。一方、新宿区都庁展望台、豊島区池袋サンシャイン60展望台、大田区羽田空港国内線ターミナルはNTTドコモが圧倒的なつながりやすさを見せている。こうみると、各キャリアにとって、つながりやすさに大きなムラがあることがわかる。


 ちなみに今回の計測でそれぞれのキャリアのポイントを合計すると、NTTドコモが191点、auが205点、ソフトバンクが173点となっており、auが一番つながりやすいという結果が出ている。


 ただ、これらの結果は「ある日、ある場所、ある時間」を切り取って計測したものにすぎない。使用したスマートフォンは、Xperia™ GX SO-04D(NTTドコモ)、HTC J butterfly HTL21(au)、MOTOROLA RAZR™ M 201M(ソフトバンク)。通信速度の上り・下りのパフォーマンスを合わせたとはいえ、およそ2年前発売の端末だ。高速回線を精密に拾う最新の端末ではないことは確かである。そして2014年9月9日~9月12日の4日間は、晴れ、曇り、雨、曇り、雨と、天候が変わっており、そのことも十分考慮に入れる必要がある。


 しかしだからといって、この端末を実際にまだ利用しているユーザも当然存在するのも確か。東京23区のどの場所にいても、等しいパフォーマンスを目指していくことが、各キャリアに求められるというわけだ。


 今後5Gというさらに高パフォーマンスの通信規格が出るなかで、各区の通信インフラの整備が行われる。その際、併せて重要なのは、ユーザ各キャリアから発売されたどの端末を使っても、「いつでも」「どこでも」「安心して」利用することができるよう、通信インフラを整えていくことだ。その点では今回の計測は大きな意味を持つものだと我々は考えている。各キャリアに、電波・通信環境の一層の充実を期待したい。

(山下雄太郎、石丸隆雄)

注釈

*:つながりやすさランキング
ポイントの出し方は以下のとおり。
・アンテナ:1本=1点、2本=2点、3本=3点、4本=4点。
 「~」表記のものは真ん中の数値(例えば2~3の場合は2.5)。3G=0点。
・通信速度・上り:1未満=1点、1以上5未満=2点、5以上10未満=3点、10以上=4点。
・通信速度・下り:1未満=0.5点、1以上10未満=2点、10以上20未満=2点、20以上30未満=3点、30以上=4点。

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【キーワード解説】通信速度

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