特集 記録メディアの歴史・分類
発生、現在、これからの技術

2014/7/24  1/3ページ

記憶装置の歴史はコンピュータの発展とともにある。1940年代にいわゆるノイマン型のコンピュータが出現して以来、記憶装置は常に存在していた。せいぜい1000ワード程度を記憶するのが精いっぱいだった初期型の記憶装置から半世紀余り。現在では1つの図書館の文字情報がまるまる入る記憶装置すら存在する。

 容量としては拡大の一途をたどってきた記憶装置だが、決して1つの技術がひたすら発展を遂げてきたわけではない。様々な技術と栄枯盛衰があり、現在に至っている。こうした技術を大きく分けると磁気、光、そして半導体になる。今回はこれら記憶装置の歴史をたどってみる。

磁気ディスクの歴史


 1940年代にノイマン型コンピュータが出てまもなくから、プログラムを記憶するための装置が考案されたが、1950年代に入るとIBMが磁気テープの記憶装置を発表。以後、現在に至るまで磁気を使った記憶装置は幅広く利用されている。磁気による記憶の手段はテープ(あるいはディスク)に強磁性体を塗布して、その磁性を読みこむ。強磁性体とは、磁性を帯びやすい物質のこと。磁性を帯びた物質のS極かN極かで、データを記録していく。


 初期に出た磁気による記憶手段はテープである。磁気を帯びたテープに、データを記録していく。最も初期に作られたデータ保存方法であり、1970年代頃まで使用されていた。データの保存は、より安価な音声用カセットテープなどでも代用できるが、専用テープに比べると精度が悪く、データの読み込みに失敗することもある。カセットテープという形状のため、必要なデータがテープの後半にあると、利用するまで時間がかかるなど難点が多かった。


 1960年代にはフロッピーディスク(Floppy Disk、FD)が開発され、80年代になると値段が劇的に下がったこともあり、データ保存の主流として普及するようになる。FDは、円盤状の磁気ディスクにデータを記録する装置で、ディスクのまわりをプラスチックケースで覆っている。円盤上にデータを記録することにより、任意のデータへの直接的なアクセスが可能になった。

5インチフロッピーディスク
5インチフロッピーディスク

 初期は8インチ(約20センチ強)あったが、最終的には3.5インチ(9センチ弱)までサイズダウンされている。容量は8インチの頃で0.128MB、3.5インチで1.44MBまで保存できた。1990年代になるとCDなど、より大容量が記憶できるメディアの出現とインターネットの普及により衰退。2010年代になるとFDを読み取るドライブやFDの生産が相次いで中止され、その役目を終えることになった。


 FDやテープという磁気記録の装置は使われなくなってしまったが、現在に至るまで利用されている磁気を使った記憶装置がハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)である。HDDは複数の磁気ディスクを固い金属製のケースで覆った記憶装置。磁気ディスクは、ほこりなどが付着すると不具合が生じる可能性が高く、完全に機密を保つことで、機能を高めている。

外付けするタイプのHDD。現在は内蔵せずにデータ保存用に外付けで使うことも多い
外付けするタイプのHDD。現在は内蔵せずにデータ保存用に外付けで使うことも多い

 機密性を高め、磁気ディスクを高速で回転させることにより、大容量なわりにアクセス速度を上げることに成功した。もちろん、回転速度をさらに上げればアクセス時間を短くすることは可能だ。しかし、その分モーターの機能改善や、ディスクにアクセスする精度の高さが求められるようになるため、簡単にはいかない。回転速度は1分間に円盤が回転する回数「rpm」で表現され、現在は5400rpmと7200rpmの製品がもっともよく見かけられる。


 2014年現在、HDDは、数TBの記憶が可能になっている。一方でコストパフォーマンスではともかく、後に説明する半導体型の記憶装置には、情報へのアクセス速度やサイズで劣っているため、一部でシェアを奪われつつある。

>>容量爆発! 光ディスクの登場


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