特集 「巨大スマホ」化するクルマ(2) デジタル化、自動車OS… 車の未来はどこに

2014/3/24  2/3ページ
ユークエストの冨岡氏
ユークエストの冨岡氏

ナビ画面とスマホの『第3世代』は?


 それでは「プライベートコンテンツを楽しむため」のスマートフォンは、どのような展望が待っているのだろうか?


 まずは、スマートフォンのコンテンツを「どのように表示するか」である。iPodやスマートフォンの画面を直接操作して「音楽のみ」を聞いていた『第1世代』のディスプレイは、スマートフォンなどの端末だ。カーナビの画面でプレーヤーを操作したり、CDジャケットのデータなどが出力されたりする『第2世代』が現状だ。


 冨岡氏は「おそらく『第3世代』は、車載機器から自動車の情報をスマートフォンが受け取れるようになるのでしょう」と予測する。


 車速データやジャイロ(方向)センサーなど、車載のカーナビは自動車から直接情報を得ており、GPSを受信できなくてもスピードから割り出して現在位置を表示している。スマートフォンのナビゲーションがトンネルで引っかかってしまうのは、自動車の速度データや位置を正確に得ていないためだ。


 スマートフォンに車載データを渡し、そのデータをナビ画面(車載画面)に表示させる、というのが近未来ディスプレイなのだろう。


ディスプレイ「争奪戦」の業界事情

 

 ところで、通信モジュールが搭載されることにより、「巨大スマホ」となった自動車。カーナビ、オーディオなどの車載システムがインターネットへつながり、さらにスマートフォンのコンテンツも含め、自動車には多くの情報が集まるようになった。

フロントガラスも争奪戦の舞台だ(パイオニアプラザ銀座より)
フロントガラスも争奪戦の舞台だ(パイオニアプラザ銀座より)

 では、集めた情報はそれぞれどこに表示するのだろうか? 「ディスプレイの奪い合い」が始まっているのだ。これまでならカーナビの位置情報画面が中心だったが、オーディオも入ってくる。ユーザにとっては切り替えればいいだけの話で、あまり影響はない。


 しかし、カーナビメーカーやオーディオメーカーにとっては死活問題なのだそうだ。両方を開発しているメーカーもあれば、一方に特化したメーカーもある。「例えばブランド力のあるオーディオメーカーのスピーカーと、その音響をカーナビメーカーが組み込んで販売を行う、という必要があります」と冨岡氏。自動車内にある複数の情報が1つのプラットフォームに乗る場合、こうした連携も必要になってくる。


 車内で扱う情報には音楽・位置情報以外にも速度やタコメーターなどメーター系の情報もある。こうしたデータも表示させるとなると、オーディオやカーナビとはジャンルが別になり、さらに話がややこしくなるという。


 また、現在は「表示場所」にもややこしさの種となるものがある。それは自動車のフロントガラスに画像を投影する「ヘッドアップディスプレイ」だ。近年、速度の表示は、従来のメーターに加えて自動車のフロントガラスに表示させる「ヘッドアップディスプレイ」市場が拡大している。そうなると、ヘッドアップディスプレイの技術を使ってフロントガラスにもカーナビや音楽、はてはエアコンの温度表示も出力したくなるのが人の性だ。関連業界はさらなるすり合わせが必要になってくるだろう。

>>「自動車OS」は救世主となるのか

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