ウェアラブルは本当に「ポスト・スマホ」? 2013年のスマホ・バズワード

2013/12/16  2/3ページ

BYODでスマホを最大限に活用


 これだけ便利な機能を持ったスマートフォンを、オフィスで使わない手はない。ということで、業務生産性の向上や、コスト削減の手段として挙げられているのが「BYOD(Bring Your Own Device)」である。

スマホを最大限利用するBYOD
スマホを最大限利用するBYOD

 個人のプライベート端末を、企業に持ち込んで業務利用することを指す。オフィスに縛られずに仕事をするという意味では、「ノマドライフ」などもつながってくる。また、スマホやタブレットPCの利用を前提とするBYODとは多少意味合いは異なるが、解釈を広げれば「自分の持っている端末」を利用する在宅勤務「テレワーク」も範疇に入るだろう。


 在宅勤務は2011年の東日本大震災から特に意識されるようになった。東日本大震災以前より在宅勤務制度を導入していた日本ユニシス。同社の小田村和江氏は震災当日を振り返り「鉄道の運休など出社するまでうろうろしているよりも、業務環境が整っている自宅にいた方が、よほど仕事になっていた」(第12回テレワークセミナーでの発言より)と述べている。多少の実績は上がっているようだ。


 いずれにしても、BYODを導入すると社内LANと個人端末が接点を持つようになる。となると、当然ながらマルウェア感染や情報漏洩などのセキュリティリスクに注目がいく。こうした課題へのソリューションとして、個人端末を「シン・クライアント扱い」にしてローカルにデータを残さないサービスも出されている。


マーケティングツールとしてのスマホ


 どこでも持ち運べる「O2O(Online to Offline)」。新たな携帯電話の局番の登場…ではなく、SNSなどインターネットからのアクセスを、実店舗での集客や収益に結び付けることだ。


 今年は無料メール・通話アプリ「LINE」を利用した集客モデルが特に目立っている。2013年に行われたJapan IT Week2013秋の講演では、ツルハドラッグがLINEアカウントを通じたセール情報を配信し、集客数増加に成功した、との報告があった。


 LINEのユーザ数は2013年11月現在、世界で3億を突破した。日本のユーザ数は約5000万人となっており、ほぼこの数字が日本のスマホ普及の概数ではないか、と言われている。


 マーケティングツールとしてスマホが重宝されるのは、言わずもがな「ビッグデータ」の一部を構成する端末だからだ。位置情報やWEBページの閲覧履歴など、スマホに蓄積された膨大なデータを抽出・分析し、需要予測等に活用する、というのが最近のトレンドだ。


 ビッグデータの活用方法はこれにとどまらない。音声認識や翻訳機能も、膨大な数の単語や音声データを分析して出来上がるものである。iPhoneの音声認識サービス「Siri」は有名だ。日本でもNICT(情報通信研究機構)が多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra」の翻訳技術を民間へライセンス提供している。成田空港の翻訳アプリ「NariTra」はその1つだ。


 一方、ビッグデータ分析はB2Cサービスやシミュレーションというよりも、シビアな管理が問われる在庫圧縮のようなバックヤードでのコスト削減が本来の使われ方なのでは、とも言われている。


 国立情報学研究所の新井紀子教授も、統計分析の役割として「『とりあえずこの弁当を100個注文しておこう』の“とりあえず”の部分を、きっちり出す」こと、と述べている。バズワードに踊らされず、「手段の1つ」程度に捉えるくらいの方が健全ということだろう。

>>「ポスト・スマホ」は本当にウェアラブルか?

【関連カテゴリ】

トレンド