特集 薬のネット販売全面解禁 その動向を追う

2013/9/30  1/3ページ

安倍政権が成長戦略の重要な施策として位置付けている薬のネット販売全面解禁。これまで対面販売のみとしてきた1類・2類についても、ネットでの販売を全面解禁することとなった。消費者が手軽に医薬品を購入することで経済を活性化させたい思惑もある。医薬品の小売の現場では、どのように動いているのか、消費者の安全を確保するには何が必要なのか。業界団体や有識者に話を伺った。

改正薬事法による分類


 2006年に薬事法が改正、2009年に施行された。この2006年の薬事法改正により、医薬品のリスクに合わせた販売のルールが定められた。


 一般販売の医薬品を、副作用などリスクの高い順に第1類、第2類、第3類に分類。特に副作用リスクの高い1類に分類される医薬品は、薬剤師の書面による説明を義務としたが、それよりリスクの低い2類、3類については、不在の場合でも新たな資格者である登録販売者であれば販売が可能になった。


 一方で厚生労働省は省令により、1類、2類は、薬剤師あるいは登録販売者による対面販売を原則とし、実質ネットなどを経由した販売を禁止。リスクが一番少ない3類についてのみ、ネット販売を認めていた。


業界が動いた2013年1月の判決


 しかし健康関連商品や医薬品を扱っている大手通販サイト・ケンコーコムとウェルネットがこの措置に反発。1類、2類のネット販売許可を求めて、厚生労働省を訴えた。1審は厚生労働省側が勝訴したものの、2013年1月に行われた、最高裁判所での判決では厚生労働省が敗訴。省令で1類、2類の医薬品のネット販売を禁止していることは、改正薬事法の委任の範囲内と認めることはできないとして「省令は無効」との判決を下した。

最高裁判所の判決により、厚生労働省や一般用医薬品販売の小売業界は対応を迫られることになった
最高裁判所の判決により、厚生労働省や一般用医薬品販売の小売業界は対応を迫られることになった

 この判決を請け、安倍晋三首相は2013年6月14日行った閣議決定で、「適切なルールのもとで一般用医薬品の全てのインターネットでの販売を解禁する」という方針を発表し、ネット販売全面解禁を正式に示した。


 厚生労働省は現在、この発言中の「適切なルール」づくりを進めている。2013年2月には「一般用医薬品のインターネット販売などに関する新たなルールに関する検討会」を実施、安全性確保のための施策や偽造医薬品対策の強化などについて合意を模索してきた。

厚生労働省は、新たなルール作りの真っ最中だ
厚生労働省は、新たなルール作りの真っ最中だ

 厚生労働省は、一般用医薬品の販売ルール策定作業グループを2013年8月に立ち上げた。日本薬剤師会や日本チェーンドラッグストア協会のほか、慶應義塾大学総合政策学部長の國領二郎氏や上智大学法科大学院教授の小幡純子氏などをメンバーにし、検討を重ねている段階。2013年9月末には一定の結論が出される予定だ。

>>一般用医薬品の小売業界の取り組みは?


RPAツール・AIHH

【関連カテゴリ】

トレンドその他