特集 2013年、普及するか?
電子書籍端末
国内電子書籍端末の動きを追う
2013/1/21  1/3ページ

2012年11月に発売されたKindle日本語版。専用端末と汎用端末を発売して「Amazon.com」の知名度を活かした遡及を図っており、その攻勢に注目が集まっている。また他の電子書籍端末のメーカーも、新端末を発売するなど国内の端末市場は活況を呈している。はたして国内の電子書籍端末は2013年どう普及するのか。端末メーカーやジャーナリストなどに話を伺いその動きを追いかけた。

Kindle日本語版発売


アマゾンの電子書籍端末Kindle Paperwhite
アマゾンの電子書籍端末Kindle Paperwhite

 2012年11月19日、Kindle Paperwhiteが発売された。1000冊以上を持ち運べ、内蔵されたWi-Fiを使ってあらゆる書籍を60秒以内にダウンロードすることができる。また長時間読んでも疲れにくいEInkスクリーンを採用。ライトをつけても8週間連続使用ができるバッテリーを搭載するなど数多くの魅力が存在する電子書籍専用端末だ。加えて、先行している通販サイト「Amazon.com」で培われた日本のネット読者層に対して遡及できるのが大きい。


 このアマゾンの電子書籍専用端末Kindleの日本語版の上陸について、電子書籍の検索サービスを手掛けるhon.jp代表取締役社長の落合早苗氏は「2012年7月頃よりいつ発売されるのかという噂が業界で先行していた」と話す。2012年内になんらかの形で発売されるはずという予感が業界関係者の間で共通認識としてあり、それが市場の渇望感を煽ったというのだ。そのような戦術が功を奏したのか、Kindle Paperwhiteは今のところ、在庫がないという状態。少なくとも2013年2月いっぱいまで品物がすぐに手に入らない事態が続いている。

hon.jp代表取締役社長 落合早苗氏
hon.jp代表取締役社長 落合早苗氏

先行して発売された楽天のkobo


 これに対し、インターネットで楽天市場などを手掛ける楽天は、Kindle日本語版の発売に先駆けて2012年7月に電子ブックリーダー「kobo Touch」を発売。さらに、2012年11月にはフロントライトを搭載した最新モデル「kobo glo」をリリースした。


 「kobo glo」は画面自体が均一に光ることで、直接目に光が入らないフロントライトを採用。光の強さ加減を調整できるなど、目を疲れさせない工夫がされている。またハード自体にボタンがなく、画面に指先で触れるだけで直感的に操作することができるインターフェースだ。


 楽天イーブックジャパン事業マーケティンググループマネージャーの糸山尚宏氏はkoboについて「紙の本を読んでいるのと同じように、ストレスなく読めることを意識した」と説明する。書籍(コンテンツ)をいつでも持ち運べること、カラーバリエーションにこだわり老若男女問わずに使うことを想定し、開発したとのことだ。

楽天イーブックジャパン事業 糸山尚宏氏(左)と楽天の電子ブックリーダー kobo glo(右)
楽天イーブックジャパン事業 糸山尚宏氏(左)と楽天の電子ブックリーダー kobo glo(右)

 もちろん、楽天市場など楽天の他のサービスで貯めたポイントでkoboの電子ブックを購入したり、電子ブックを購入して得たポイントを他のサービスに使うことができる。糸山氏は「楽天初の端末となるkoboを通して、“電子書籍を読む”という文化を顧客への良質な体験として提供していきたい」とkoboの意義を語る。


 また楽天は文庫本より小さく、より持ち運びやすいリーダー「kobo mini」も2012年12月にリリースしている。Kindle日本語版など競合の発売が続くが、糸山氏は「競合どうこうというよりも、電子ブックを世の中に浸透しなければならないという使命感を重んじていきたい。また、自社のサービスを改善したり、顧客のリクエストへの対応に専念していく」と話している。


国内の電子書籍端末の動き


 このようにKindle日本語版の発売、さらに国内の電子書籍端末の新たな発売によって、活況を帯びてきた電子書籍「専用」端末の国内市場。これまでどのような動きがあったのか、少し振りかえってみたい。


 「電子機器で本を読むこと」の先駆けとなるのが電子辞書であるとすれば、日本はデジタル化には早くから取り組んでいるといえる。1979年、最初にシャープや日本電子出版協会(JEPA)が、辞書に搭載するコンテンツの作成に注力した。その後、国内ではWindows 95の発売もあり、インターネットを通じ「インフラに乗せて、コンテンツを届ける」という今の電子書籍に近いスタイルがすでに1995年頃から見られている。


 さらに国内の電子書籍サービスとしては、1995年に電子書店パピレスがニフティによるサービスを開始したのが国内初になる。また米国のボイジャー社はそれに先行するかたちで1992年に日本法人を設立している。このような動きによって文字だけではなく動画などを利用して、電子的に本を読んでいくことが国内でも知られるようになった。

>>国内の電子書籍普及のきっかけになったものとは?


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