特集 タッチパネル技術のアレコレ
大流行・タブレットPCを支える主幹技術
2012/10/1  1/3ページ

2012年。ついにIT業界の王者・マイクロソフトがタブレットへの参戦を表明した。しかも「Windows8」という錦の御旗を引っ提げて。iOS、android、Windows。ついに3者が出揃った「タブレット」業界。いま最もアツい業界であろうことは間違いない。

 タブレットPCと言えば象徴的なのが「タッチパネル」。GUIという操作感をさらにダイレクトに進化させる鍵となる技術だ。ほかにもタッチパネルを使うことで、入力とディスプレイの併存で省スペースになったり、設計が簡略化されたりなど利点も多い。

 今回の特集では、そんなタブレットPCやスマートフォンを支える基幹技術とも言える「タッチパネル」について調べてみた。

タッチパネルの二大技術


 タッチパネルには抵抗膜方式・静電容量方式・光学式・超音波方式などがあるが、市場で普及しているのは抵抗膜方式と静電容量方式の2つの技術である。


 抵抗膜方式は上部電極フィルムと下部電極ガラスの2面構成からなり上部電極フィルムの上からペン先などで圧力をかけることで、スイッチが押され、反応する方式のことである。静電容量方式は表面の保護ガラスとセンサーガラスからなり、表面のガラスに指が触れることで静電結合が起こり、奥のガラスとの静電容量に差が生じる。その差から触れた箇所を割りだす方式である。


 日本では1980年頃に抵抗膜方式が開発され、駅の自動販売機や銀行のATMなど部分的に利用されてきた。あくまで“部分的な利用”であり、現在のような花形技術とはほど遠かった。抵抗膜方式の技術が花開くのは2000年代に入りPDA端末が使われるようになってきてから。シャープのザウルスなどが当時の代表的な製品であり、抵抗膜方式が世に広く知れ渡ったきっかけとも言える。


 静電容量方式は米国発。同じく1980年ごろ表面型方式として軍事目的で開発されていたという。その後はアミューズメント目的の大型筐体、ゲーム機などで利用されていたが、抵抗膜方式と同じく2000年代までは、やはりごく一部での利用でしかなかった。静電容量方式が注目されようになったのは投影型といわれるマルチ入力が可能な新技術の使用されるようになった極めて最近である。iPhoneやiPadに採用されるようになってからだ。


 「2000年代半ばまではタッチパネルの主力は抵抗膜方式でしたが、市場はスマートフォンやタブレットPCに採用されている“静電容量方式”が逆転しつつあります」と話すのは、株式会社タッチパネル研究所副社長の板倉義雄氏。同社は1998年の創業以来タッチパネルの研究を重ねてきており、航空機内などに設置されたパネルで世界シェアを目指している。

タッチパネル研究所副社長 板倉義雄氏
タッチパネル研究所副社長 板倉義雄氏

 タッチパネルの「静電容量」と「抵抗膜」の二大方式。しかし前出の通り技術構造的には異なるものだ。その構造の差異は特長としても現れている。静電容量方式は“耐久性”と“マルチタッチ技術の先行”に優位があり、抵抗膜方式は“操作の精緻さ”と“安価さ”に特長がある。


 耐久力に関して抵抗膜は「スイッチの上にフィルムを張り巡らし、それを押しこむ構造」なのに比べて静電容量は「ガラスの表面を触るだけ」のため大きく差がある。タッチパネル研究所で行っているタッチ回数の耐久試験では、抵抗膜方式の耐久力が10万回なのに対して、静電容量は100万回。実際の利用では10万回の操作も希だろうが、耐久性の差が伺える話だ。

>>抵抗膜方式が生きてくる道


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