こうした記録媒体自体の寿命があるなかで、期待される新しい保存技術が、スケーラブルに容量を増やせるクラウド型分散ストレージサービスだと中山氏は語る。クラウドの移行というと「データ運用の経費を下げる」という話をする企業も多いが、同じデータを複数のクラウドに分散して保存することによって安全性を確保する「バックアップ」の側面が注目される。
国立国会図書館ではデジタルデータの資料保存のために1PB(ペタバイト)のストレージを導入した。このストレージは同館がおこなっているインターネット資料の収集や、資料をデジタル化したデジタルデータを、保存・公開する「デジタルアーカイブ」の取り組みの中で使われている。
また東日本大震災以降、「大規模災害時のディザスタリカバリ」の観点からも、関東、関西の2つのセンターでそれぞれデータを持ちあうことが重要視され、2つの拠点で大容量のアーカイブを同期できるシステムを構築し、バックアップとしたいとのことだ。
国立国会図書館のように、デジタルデータの長期保存のためには2重3重のバックアップ体制が必要不可欠になるだろう。それでは、100年残せるバックアップというものは可能なのだろうか。
結論から言えば、自社の設備投資を怠らず、クラウド型のストレージサービスを使って、データを分散させた常にバックアップをとり続け、コストの面さえクリアすれば、可能だろう。
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| HDDのような媒体よりも、もっと便利で安全性の 高いデータ保存形式がいつか生まれるかもしれない |
ただ、これも100年後までデジタルによる保存が主流であることが前提になる。つまりそもそもデジタル技術による保存がいつまでも続くとはだれも保証できないのだ。前出の馬場氏も「50年はデジタルの時代が続くだろうが、100年後までは予想できない」と話す。一方で「具体的にこれという技術があるわけではないが、50年よりも先になるとデジタルよりももっと便利なデータフォーマットが考案される可能性がある」と続ける。
もちろん単純にデジタルデータ自体も、例えば画像のデジタル化に際して、現在正方形の格子状に分割してデジタル化しているものを六角形にすることで、データの量を増やすというような「飛躍的に進化の可能性」が数多く残されている。
あるいは、デジタルデータ技術の積み重ねがデジタルデータによる保存の根底を覆し、まったく別の考え方の保存技術や記録媒体を生み出すかもしれない。新しい技術はデジタルを越え「100年残るバックアップ」が容易になる日が、あるいは来るかもしれない。
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