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| 総務省情報通信国際戦略局 課長補佐 岡本樹生氏 |
こうしたことが特に意識されるようになったのが、やはり東日本大震災だ。東日本大震災に際して「テレビは点いていても、デジタルサイネージは消えたままだった」ということは業界でも大きな議論になっている。
節電という課題があるなか再度街中のデジタルサイネージを点灯するのには、大変な調整が必要だったという。それは一重に「エンターテインメントや広告」だけか「普段は広告を打っていても、非常時には有用な情報を流すツール切り替わる」という違いにあった。そのため、震災後はデジタルサイネージ業界も「テレビ同様に役に立つメディア」だという側面を打ち出そうとしている。
総務省情報通信国際戦略局 課長補佐の岡本樹生氏は「デジタルサイネージを利用者にとって必要不可欠なメディアとしていくためには、単に広告宣伝を行うのではなく緊急時でも使われるメディアにすることが大切な要素」と説明する。
東日本大震災の際には、丸の内にある一部のサイネージではNHKなどの緊急放送を帰宅困難者に向けて配信するなど一部では事前の備えもあったようだが、今後政府としてはネットワークの面をさらに強化し「日本のデジタルサイネージ」が緊急時、災害時にも活用できることを強みにしていく構えを見せている。
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| デジタルサイネージコンソーシアム理事長・中村伊知哉氏 |
災害利用の促進というのはデジタルサイネージの地位を高める1つの答えではある。しかし災害は非常時の特別な対応であり、平常時における今後は常に考えていく必要がある。
デジタルサイネージの普及を目的とする業界団体「デジタルサイネージコンソーシアム」理事長の中村伊知哉氏は今後のトレンドとして、スマートフォン等の端末からSNSでデジタルサイネージに表示された情報を発信したり、デジタルサイネージ自体にもSNSを表示させるといった「デジタルサイネージとSNSとの連携」を強調した。
近年のソーシャル化への流れを考える「デジタルサイネージとSNSとの連携」ははずせない要素だ。
例えば店や会場でライブが行われた場合、会場の舞台にあるデジタルサイネージ自体にSNSを表示すれば観覧者だけでなく、その場にいない人のコメントも見ることができる。このようにデジタルサイネージに情報を発し、そこに表示されたものを見ることでデジタルサイネージが「双方向性」を帯びていく。この様な使い方によってデジタルサイネージとの関係性がより一層深まってくることとなっていくだろう。
現代は「友人に教えたくなる情報」であれば、ソーシャルメディアなどを通して、あっという間に拡散できる。見る人が少ない場所でもアイデアがあれば拡散することもある。さらに、本当におもしろければ普段行かない場所でもわざわざ見に来るというところまで誘導できる。
また、ハードウェアの技術が成熟し始めた現在、ソフトウェアの充実へも注目が集まっている。ユーザの遊び心を汲んだ携帯・スマートフォンのコンテンツを他国に先駆けて開発してきたという歴史をもつ「日本のコンテンツ力」が、デジタルサイネージの分野でも十分発揮することができる可能性は高い。これらの高いポテンシャルを持つ日本のコンテンツ力が「SNS」と結びつくことで、通常の広告では得られない「注目」をされるかもしれない。
単なる電子看板から始まったデジタルサイネージ業界が動き始めて約10年。いま業界は大きな転換期を迎えている。成長産業がなかなか見いだせない現代の日本において、デジタルサイネージは日本の得意な技術同士を融合させた「有望株」だ。日本の主導となって業界が飛躍することに期待したい。
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