2011年HH News & Reportsが独断で決めたIT10大ニュース
2011/12/19  3/4ページ
店頭に並んでいる大半の商品がスマートフォンのため、選択肢がないとも言える
店頭に並んでいる大半の商品がスマートフォンのため、選択肢がないとも言える

ハードウェア・インフラにおける変化


 サイバー攻撃やSNSなど、ソフトウェア関連のニュースが目立つが、ハードウェア関連のニュースも多々ある。ハードウェア関連で一番目覚ましいのは、やはりスマートフォン、タブレットの進出だろう。「第6位:スマートフォン戦国時代。世界の攻勢に日本は太刀打ちできるか?」。何より2011年は米国アップル社のiPhoneや韓国サムスンのギャラクシーと、海外のスマートフォンの攻勢が増したことが印象深い。


 OSの市場も、劇的に変わった。2011年初頭はiPhone搭載の「iOS」が圧倒的だったが、それのあとを追うように開発された「Android」が猛追。現在は「2大OS」の一角として市場を席巻している。


 一方で、こうしたスマートフォンの急速な浸透は通信容量も圧迫している。NTTドコモは、通信速度を確保するため第3.9世代(海外では第4世代に分類)と言われる技術「LTE」を使ったサービスXi(クロッシィ)を展開。急ピッチで整備を進めている。またソフトバンクも4Gサービスの構想を打ち出すなど、第4世代移動通信に向けて各キャリアも着々と準備を進めている。


 携帯電話研究家でもある武蔵野学院大学准教授 木暮祐一氏は「1990年頃に第2世代へ、2000年に第3世代へとこれまで10年サイクルで世代が変わってきている。いまはちょうど第4世代に代わる過渡期にある」と話す。


 さらに木暮氏は、夏ごろのiPhone4Sの発表を振り返り「(アップル社会長の)スティーブ・ジョブズ氏は、本当は今年のあのタイミングで『iPhone4S』ではなく第4世代(第3.9世代)に対応した『iPhone5』を出したかったのではないですかね?」と話す。つまり、まだ、あの時点で第4世代が普及していなかったため、第3世代対応のiPhone4Sとして出さざるを得なかったのでは、ということだ。


 事実、第4世代を最も普及させているNTTドコモからLTE対応した『iPhone5』を2012年に出すという情報もある(現在のところNTTドコモは否定しているが…)。ほかにも後塵を拝してきたWindowsを開発するマイクロソフトもスマートフォンに適したOSを開発して、追い上げを図るだろう。2012年、スマートフォン市場がさらなる激戦区となることは間違いない。



 米国で急速に拡大をしている「電子書籍リーダー」も数々出てきた。「第8位:電子書籍普及の動き。アマゾンが“赤字”のタブレットPC発売」など、こちらも動向がめまぐるしい。

書籍最大の見本市「東京国際ブックフェア」では秋篠宮殿下、妃殿下も参列され、電子書籍のブースも大賑わいだった
書籍最大の見本市「東京国際ブックフェア」では秋篠宮殿下、妃殿下も参列され、電子書籍のブースも大賑わいだった

 アップルのiPadは電子書籍を身近なものにしたツールの1つだ。今年の春、このiPadの新製品「iPad2」が発売。グラフィック機能の強化、軽量化、背面と前面の両面カメラを搭載するといった話題性で市場が賑わった。


 また、アマゾンから2011年11月に発売されたのは「Kindle Fire」。こちらは価格が199ドル(約15000円)で、3G携帯電話回線への接続なし・カメラなしなど機能を絞っているものの、1台当たり10ドル程度の赤字を出す「売るほど損」な端末。しかし本業であるAmazon.comから購入される電子書籍の収益を1台あたり10ドル見込んでおり、まずは端末の普及に力を入れることを念頭に置いているようだ。


 日本に目を向けてみると、日本国内電子書籍市場は2015年末には2400億円の規模になるという(NRIニュースリリースより引用)。ソニーは2011年9月、電子書籍端末「リーダー」の新商品を発表。端末本体にネット接続機能が備わった。ほかシャープの電子書籍端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」も11月には新機種を出すなど、電子書籍端末市場も主導権争いにますます拍車がかかっている。



 インフラ関係では「第9位:インターネット資源『IPv4』枯渇、IPv6への移行徐々に」している。2011年4月15日、日本で割り振られていたIPv4アドレスの配布が終了した。PCやスマートフォンなどのコンピュータ機器がインターネットに接続するためには、IPアドレスが必ずいる。


 一般ユーザがPCを利用する上でIPアドレスを意識することはほとんどないだろう。しかし、IPアドレスがなければインターネットへのアクセスは不可能だ。IPv4アドレスは約43億個しかなく、以前からアドレスの枯渇が懸念されていた。代わって登場するのが約360澗(2の128乗)個もあるIPv6アドレスだ。


 日本でのIPアドレスを管理しているJPNICの前村昌紀インターネット推進部長は、IPv6の使用状況について「Googleは既に一部の例外的なサービスを除いてIPv6を導入しており、既にIPv6が導入されているユーザはGoogleを使うときにIPv6を介しているという状況がありえます」と解説する。


 2011年の6月8日にはヤフー、Facebookなどの大手IT企業が中心となってIPv4、IPv6のデュアルスタック(どちらのIPからでもアクセスできる状態)を大々的に実験する「IPv6Day」というイベントも開かれた。


 現在市場に出回っている大半の機器はIPv6対応しており、ISP(インターネットサービスプロバイダ)もIPv6サービスを始めている。我々の気付かないうちに対応がなされているということだ。JPNICも「IPv6インターネットの運用技術者の育成と運用経験の積み上げが課題と考えております」(前村氏)とIPv6運用に支障をきたさないよう配慮している。

>>カリスマに黙祷を…

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