M2Mに関する特集を取材した記者が感じたこととは|Editor’s note|HH News & Reports|ハミングヘッズ

Editor’s note 取材や日常生活で記者が感じたことをお伝えします

2014/9/4

M2Mの普及がもたらすモノ

 今回の特集では、M2Mの普及にフォーカスしました。今、自動車など我々が使う1つ1つの機器にM2Mが応用されてきています。

 今回伺った総務省では、ゼロックス社のパロ・アルト研究所(PARC)のマーク・ワイザー博士が提唱した「ユビキタス・コンピューティング」の話がありました。我々人間は生きていくうえでこなさなければならない雑務がたくさんあります。こうした雑務をコンピュータが支援することで、大切なことに労力が使えるとしたら、人間にとってこれほど助かることはありません。

 これまでは、こうした発想に技術が間に合いませんでした。しかし今やインターネットやモバイルが爆発的に普及しています。モノとモノを通信でつなぐM2Mの土壌が整ってきたわけです。

 例えばオランダの植物工場では、このM2Mの技術が使われています。温度制御などによって、植物の発育や成長をコントロール。データを収集して最適な生育条件を割り出しています。この「データにおける精密制御」が大量の作物栽培を可能とし、強力な国際競争力につなげています。

 また、国内メーカー・コマツも、建機のICT化によって土木工事の自動化やモノの運搬の自動化に成功しています。GPSデータを使い、ブルドーザーが設計図通りに作業を実施。さらにオーストラリアの鉱山では無人の大型ダンプトラックを自動稼働させ、安全性を重視した鉱山作業を行うなど、様々なシーンでM2Mが活用されています。

 ただ、こうしたイノベーションは、経営者の決断が不可欠。目先の業務にとらわれるのではなく、M2Mを導入してビッグデータを活用し、経営改善を行えればそれだけ利益につなげられるというわけです。

 今回取材した東大特任教授・稲田修一氏の話のように、将来的にM2Mで収集したデータの活用は一般的になり、経営者の決断がより速くなるはず。M2Mの普及はまさに「ビッグデータの有効活用」と「経営のスピード化」を促すことにつながるのです。

(山下雄太郎)