Editor’s note 取材や日常生活で記者が感じたことをお伝えします

2014/7/24

増える、争う、デジタルメディアの覇権

 データのサイズは大きくなっていき、併せて容量も増えています。いや、容量が大きくなったからデータが大きくなったのか。卵が先か鶏が先か。

 光ディスクの第2世代であるDVDや第3世代のBDはどうやら、データが先のようです。高解像度の映画を1枚のディスクに収めるために開発された、という経緯があるからです。しかし、ほかのメディアについては何とも言えません。恐らくどちらが先ということもないのでしょう。

 特集記事を執筆するために調べている中で面白かったのが、性能的には非常に優秀な光磁気ディスク、そして欠点が多い光ディスクの栄枯盛衰です。性能や欠点、長所の説明を聞いただけでは光磁気ディスクが主流のメディアとなるようにしか思えません。特に保存性の高さは特筆するところがあります。

 しかし1点。コストパフォーマンスという点で光磁気ディスクは光ディスクに劣り、それが結果に大きく左右したようです。またこの時期、すでにかなり普及していた光ディスクである音楽用のCD-ROMが、PC用のドライブでも読み込めるという点も大きかったかもしれません。

 光ディスクの例に限らず、性能が優秀ならば流行するかというとそういうこともないようです。ビデオのベータとVHSなら、ベータの方が高画質だったのは有名な話。しかしながらVHSの方が、コンテンツが充実していたほかコストパフォーマンスの点で優秀であったために、雌雄を決したと言われています。

 同じ記録メディアの争いという切り口から見ると、コストパフォーマンスの良いメディアというのが重宝される傾向があるみたいです。フロッピーのような磁気ディスクから、光ディスクや光磁気ディスクは、記録メディアとして「次世代」ということだけで性能が飛躍的に進化しています。

 こうした世代を超えた飛躍から見ると、次世代同士で見た性能差は、相対的に小さいものになってしまうようです。すると消費者は性能差よりはコストに傾くというのも理解できる気がします。VHS vs ベータで言うと、動画を自分で保存できること自体が革命的だった中で、画質の差は消費者に響かなかったのでしょう。

 第3世代光ディスクであるBDのプレイヤーが2000年台半ばに発売されてはや10年。DVDのプレイヤーが発売されたのが1990年代半ばから後半にかけてですから、その間は同じように10年ほど空いています。つまり次の記録メディアの規格…4K放送に対応した新しい規格…がいつ出てきてもおかしくありません。また主流の争いが勃発する日も遠くないでしょうね。

(井上宇紀)